「みたらしは友達です」

──友人たちとケーキを食べながら談話するシーンでは、浩輔がその味を雄弁に語っていましたが、鈴木さんも甘いものがお好きとのこと。以前「たい焼きの中に入っているあんこの量」について熱くお話されていたのを記憶しているのですが、ぜひあんこへの想いの丈をお聞かせいただきたいです。

「あんこ愛」とは逆になるかもしれないのですが、僕はたい焼きをはじめとする世の中のだいたいのお菓子は、あんこの量が多いと思っているんですよ(笑)。砂糖がとても高価な時代だったら、甘いあんこがたくさん入っていて贅沢だっていうのはわかるんです。だけど、僕は量が多ければいいということではないんですよね。でも、周りのスイーツ好きの人に聞いても「そう?」って言われるので、自分だけが思っていることなのかもしれないな……。

──私もそう思うことありますよ!

 そうでしょう! 僕はあんこスイーツの中でも特におはぎが好きなんですけど、どちらかというとあんこよりももち米が大好きなので、お店で見かけるおはぎは周りについているあんこの量がちょっと多いんですよね。「餅をもっと増やして!」って思うんです(笑)。

 一般的なものも、もちろんいいんですよ。ただ「餅増量バージョン」みたいなものもあってそれが選べるようになれば、日本の和菓子はもっと栄えると思います。

鈴木亮平さん 撮影/有村蓮

──粒あんにこしあん、白あんと、あんこにもいろいろな種類がありますが、特にお好きなあんこはありますか?

 そこはあまりこだわりがないのですが、ずんだは別格の美味しさがありますね。ほかのあんこって、食べてもあまり豆の味がしないじゃないですか。その小豆のクセのなさがいいところだと思うんですけど、ずんだはあんなに豆感を押し出しながらも、甘くて美味しいってすごいですよね。

 それに、ずんだ餅はそんなにあんこが多くなくて餅メインなところもあるので、いい印象なのかもしれない。僕は仙台に行くと必ず冷凍のずんだ餅を買っていくんです。甘さ控えめなのか、豆の味が立っているのかわからないけど、そのずんだ餅はあんこも全部食べちゃうんですよね。お箸を使って箱の隅にあるあんこもキレイに食べちゃいます(笑)。

──私はよく、疲れたときに一口サイズの「あんこ玉」などを食べることを「お助けあんこ」と言っているのですが、鈴木さんにとってそんな存在の「甘味」は何かありますか?

 それで言うと、僕の場合は『お助けみたらし』ですね。今はあんこよりもみたらしのほうが好きかもしれない。どちらかというと「友達」です。

鈴木亮平さん 撮影/有村蓮

──名言が出ましたね(笑)。みたらしも美味しいですよね~!

 小さなおだんごの中にみたらしのあんが入っているものが大阪のほうで売っているのですが、手や口のまわりも汚れないし、美味しいんですよ。

 あと最近は、コンビニで売っているわらび餅も好きです。中に黒蜜が入っていてきな粉がまぶされているのですが、噛むと口の中に黒蜜がだ~っとあふれてくるんです。ぜひ試してみてください。スイーツは食べると癒されるし、幸せな気持ちになりますね。

(取材・文/根津香菜子、編集/福アニー、撮影/有村蓮、ヘアメイク/宮田靖士(THYMON Inc.)、スタイリスト/臼井崇(THYMON Inc.))

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【Profile】
●鈴木亮平(すずき・りょうへい)
1983年3月29日、兵庫県出身。2006年に俳優デビューし、翌年『椿三十郎』で映画初出演。その後、’18年のNHK大河ドラマ「西郷どん」で主人公の西郷隆盛を演じ、以降も数多くの映画やドラマに出演。近年では、映画『孤狼の血LEVEL2』(’21)で第45回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞をはじめ、多くの賞を受賞する。今後の待機作に、4月28日公開の映画『TOKYO MER~走る緊急救命室~』、’24年にNetflixで全世界配信する『シティーハンター』が控える。

【Information】
●映画『エゴイスト』(R15+)
監督:松永大司
脚本:狗飼恭子
原作: 高山真「エゴイスト」(小学館刊)
出演:鈴木亮平、宮沢氷魚、中村優子、和田庵、ドリアン・ロロブリジーダ/柄本明、阿川佐和子
公開日:2023年2月10日(金)
配給:東京テアトル
(C)2023 高山真・小学館/「エゴイスト」製作委員会

公式サイト:https://egoist-movie.com/
Twitter:https://twitter.com/egoist_movie