とにかく便利すぎるオートセーブ

▲『ポケットモンスター ソード・シールド』(2019年・任天堂)古典的なRPGを貫いているポケモンも、この作品からオートセーブ(おまかせレポート)に対応しました。

 とはいえ、前述のように現在はオートセーブが主流になっています。これはゲーム機やゲーム内容の進化にともなって、自然と変わっていきました。

 インターネット環境が広まって花開いたオンラインゲームのようなジャンルでは、任意セーブができるとランダム要素(※)のやり直しができてしまいます。これはアイテム課金などにも絡みうる重要な要素なわけで、セーブは常に自動で行われないと運営側は困るわけですよね。

※ランダム要素:ガチャによるキャラクター獲得や、モンスター討伐時にドロップされるアイテム、装備が合成された後の結果など

 また、そうでないゲームでもオートセーブが主流になっていきます。ゲーム機が進歩した結果としてメモリーカードなどはなくなり、備え付けのハードディスクなどにセーブデータが保存されるようになり、セーブも素早く自動的に行われるようになりました。

 何よりオートセーブは非常に便利です。若い人がオートセーブのないゲームを遊ぶと「セーブし忘れてゲームをやめてしまう」なんてケースが起こりうるほどで、もはや現代のゲーマーになくてはならない存在になっています。

 また、ゲームそのもののプレイ時間が昔より長くなりました。古いゲームは容量の問題で同じ場面を何度もやり直させるような仕組みでしたが、いまは一本の作品をスムーズに体験させるのがベターになっています。そのためにはオートセーブのほうがよいわけですね。

▲『エルデンリング』(2022年・フロム・ソフトウェア)

 加えて、古いゲームに存在したチェックポイントとしての役割は、セーブ以外の要素で十分に表現できています。『エルデンリング』では「祝福」がチェックポイントの役割を兼ねていますし、展開の節目に特に理由なくチェックポイントが存在してもおかしくありません

 詰みに関しては、そもそも詰むような作り自体が問題でしょう。いまでは詰んでしまう状況があると大きな問題になりますし、あったとしてもアップデートですぐ改善されます。オートセーブで複数のセーブデータが保存されていれば、少し前からやり直すのも容易です。