心に残り、消えゆくセーブポイント
このような理屈から、セーブポイントが希少なものになっていくのは必然だったといえるでしょう。そもそも写実的なゲームであればセーブポイントの存在自体が不自然なものになります。デフォルメされた表現が多い昔だからこそ許されていたのかもしれません。
しかし、セーブポイントはいかにもゲームらしくアイコニックな存在です。これを生かした作品もあり、『ファイナルファンタジーXII』ではセーブポイントに擬態した敵が存在していましたし、『MOTHER2 ギーグの逆襲』ではセーブポイントが電話でしかも父親のアイコンでもありました。
残念なことに、テレビゲームの象徴的存在といえるセーブポイントは、歴史の進歩とともに姿を消していくでしょう。しかしながら、ゲーム好きの心に強く刻まれた大きな存在なのです。
(文・渡邉卓也/編集・FM中西)