テッパンのひと言は、「今回は〇〇〇〇〇が合いませんでしたね」
まず、考えるべきは、心ならずも提案を“ドタキャンしなくてはならなくなった相手の気持ち”です。
相手の立場になればわかるでしょう。多少なりとも、あなたに対して「すまないな」という気持ちがあるはず。
その気持ちを察してあげると、明るい未来が待っているのです。
前回の商談では乗り気だった担当者が、上司などから反対されてドタキャンをしてきたとき、例えば、こんなふうに返事をしたらどうでしょう。
「そうですか、ご一緒に仕事ができることを楽しみにしていたので、それはとても残念です。今回はタイミングが合いませんでしたが、また次の機会によろしくお願いします」
ドタキャンの理由が、“上司の反対”であろうが、“会社の方針”であろうが、すべてを「今回はタイミングが悪かった」というひと言で済ませてしまうのです。
「口約束も契約ですから」とか、「上司の方にもう一度話してみてください」とか、「御社の方針はわかりますが、そこをなんとか」などは、あえて、ひと言も言わない。
そもそも言ってもどうにもなりませんから、無駄な抵抗をして相手の心証を悪くするよりも、驚くほど爽やかに受け入れるほうが、はるかに印象がよいのです。
あなたがドタキャンした自分を、あっけらかんと許してくれたら、心ある担当者なら、こう思ってくれるはずです。
「今回は悪いことをしてしまったな……。今度、何か機会があったら、またこの人に仕事を依頼しよう」
つまり、相手からドタキャンをされたとき、あるいは、提案していたことが不採用になったとき、最初に考えるべきことは、“断ってきた相手が、次の仕事を頼みやすい状態をいかにしてつくるか?”ということなのです。
相手に伝えるべきことは次のとおり。
●「今回は一緒に仕事ができなくて非情に残念である……」ということ
●「今回はタイミングが合わなかっただけで、そんなことはよくあることだから気にしないでください……」ということ
●「また次回の機会を楽しみにしている……」ということ
相手がドタキャンをしてきたとき、これができるかどうかで、今後の取引先が減ってしまうかどうかが決まるのです。
この考え方はもちろん、仕事以外にも使えます。例えばデートの約束を、相手がやむをえない理由でドタキャンしてきたとき。
ウダウダと文句を言うより、「とても会いたかったのに、今回はタイミングが合わなくて残念です。次に会えるのを楽しみにしていますね」なんて言えたら、相手はあなたに対して好感を持ってくれるはずです。
(文/西沢泰生)