また、早見優の楽曲の大きな特徴といえば、女性コーラスグループ「EVE」とともに、パンチのある歌声でネイティブな英語の発音を交差させる部分。早見とEVEはとにかく相性抜群なのだ。

「私はもうEVEさんが大好きで、英語の発音もきれいなので、“コーラスはぜひEVEさんで!”って、自らリクエストしていました」

デビュー曲『急いで!初恋』は英語の発音でひと悶着。当時の生演奏が思い出深い

 そして第3位には、デビュー曲の『急いで!初恋』がランクイン。一般的に、デビュー曲のサブスク人気は、当時の売り上げ(今回の場合、12番手)よりもやや上位となる傾向があるのだが、3位というのはかなりの人気だ。

「急いで!初恋」のジャケットは、デビュー曲らしい、初々しい早見さんの表情が印象的だ

 当時、本人が出演していた資生堂『バスボン ヘアコロンシャンプー・リンス』のCMソングとして記憶に残っている人も多いだろう(もしかすると、'10年代に報道番組『FNNスーパーニュース』内の「天気予報」コーナーにイントロ部分が使われていたことで覚えている人もいるかも?)。“恋コロン 髪にもコロン ヘアコロンシャンプー”というキャッチフレーズにふさわしい爽快な青春ソングでありつつ、早見の帰国子女らしい本格的な英語の発音も印象的だ。

「実は、発音についてはディレクターさんとモメて(笑)。最初はネイティブな発音で歌ったんですね。そうしたら、“もっとみんなにわかるように、カタカナ英語で歌って”と言われたんです。それで、渋々歌い直して、最終的にどちらが使われるのかな~って思ったら、私の希望どおり、最初のものが残っていてホッとしました。でも、それからは、聞き取りやすくしたり、こだわって英語っぽくしたり、臨機応変に歌うようにしました。

 この歌の収録で、もっとも印象的だったのは、わりと大きめのスタジオにストリングスの方がいっぱい並んで、イントロ部分を弾いてくださっていたことですね。昨今は打ち込みでも素敵なサウンドになりますが、生演奏はやはり音の厚みを感じますし、何十年も前の歌がこうして今でも人気なのは、若い方にもそういった違いが伝わっているんだろうなって気がしています

鮮やかなライトグリーンのトップスが、早見さんのはつらつとしたイメージにピッタリ!  撮影/伊藤和幸
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 なんと上位4曲中、3曲が筒美京平メロディーとなっている早見優のSpotifyランキング。特に「緑色のラグーン」が2位となり、筒美京平が洋楽のエッセンスを凝縮した隠れ名曲が日の目を見たことが感慨深いし、この曲を陽気にカラッと歌える早見優だからこそ、その魅力がより強く引き出されたともいえよう。

 第2弾では、香港での映画撮影にまつわるエピソードや、当時よりも今のほうが人気かも? というシングル曲、さらには海外で人気のアルバム曲への思いも紹介していきたい。

Spotifyの早見優アーティストページも要チェック! ※記事中の写真をクリックするとこの写真と同じページにジャンプします

(取材・文/人と音楽をつなげたい音楽マーケッター・臼井孝)


【PROFILE】
早見優(はやみ・ゆう) ◎日本生まれ。3歳から14歳までグアム、ハワイで過ごす。14歳でスカウトされ、'82年「急いで!初恋」で歌手デビュー。「夏色のナンシー」「PASSION」などのヒット曲がある。上智大学比較文化学部日本文化学科卒業。特有の国際感覚とバイリンガルを生かし幅広く活躍。'18年にはデビュー35周年記念ベストアルバム「Celebration」を、'22年にはデビュー40周年記念ベストアルバム「Affection」を発売。現在、NHK WORLD「Dining with the Chef」 、NHK ラジオ「深夜便ビギナーズ」にレギュラー出演中のほか、JCV(世界のこどもにワクチンを日本委員会)のスペシャルサポーターとしても活動している。

【INFORMATION】

【CD】Affection〜YU HAYAMI 40thAnniversary Collection〜
 デビュー40周年を迎える早見優のアニバーサリーアイテム第3弾。40年のヒストリーを感じさせる輝かしい代表曲の数々、今回初CD化のレア曲、そして新曲3曲までを網羅した41曲、3CDアルバム! 定価6600円(税込)

◎早見優オフィシャルサイト→https://www.yu-hayami.com/
◎公式Blog→https://ameblo.jp/hayami-yu/
◎公式Instagram→https://www.instagram.com/yuyuhayami/?hl=ja