──え……なんだろう……。
「作曲家や編曲家に頼むのではなく”自分で曲を作ること”に重点が置かれるわけですよ。だから“早々に歌パートに進む”ではなく“イントロもこだわって作る”という感覚に変わっていくんですね。
特にバンドは、楽器の演奏もありきでバンドですよね。だからよりイントロにも価値を見い出して制作していくという背景があるんです」
──おもしろいです。理にかなってますね。
「中でも’90年代のイントロを延ばした立役者がX JAPANとTM NETWORK……というかリスペクトを込めて言うと“YOSHIKIのピアノ”と“小室のキーボード”ですね(笑)。例えばX JAPANの代表曲のひとつ『Say Anything』はイントロが約54秒あります。TM NETWORKも代表曲のイントロは軒並み30秒以上です。
そしてこの流れでTK(小室哲哉)ブームが来ます。個人的に“小室哲哉プロデュースの曲の売り上げTOP50”のイントロ時間を調べたんですが、1~2秒と40秒以上の比率がほかのアーティストと比べて大きいことがわかりました。globeの場合、マーク・パンサーのラップをイントロに加えるのか否か議論が分かれるところなんですが(笑)。
だから歌を聴かせるか、曲を聴かせるかで割り切って作ってたんだなぁ、と思いましたね。ちなみに最長だったのが安室奈美恵さんの『a walk in the park』で、イントロ秒数はなんと78秒です」