実は15年で飛躍的に人口が増しているイントロクイズ界隈

──イントロクイズの界隈は以前と比べて盛り上がっているんですか?

「はい。コロナを経てオンラインでのイントロクイズ人口が増えましたね。今はだんだんとリアルイベントも盛り上がっている印象があります。

 私が全国大会で優勝した'08年は参加者が50名ほどでしたが、今は登録者が200人ほど集まっているイントロクイズ大会があるという話を聞きます。QuizKnockさんなどの影響もあって、クイズ人気が高まっているんじゃないかな。

 私が東京都文京区で月1回開催している、クイズ専門店『SODALITE(ソーダライト)』の早押しイントロクイズイベントにも、10代から70代までさまざまな人がやってきますね

──え~、そんなに幅広い人が参加しているんだ。すごいですね。

「これがおもしろくて……。最近のヒットソングを出題すると若い方はすぐ答えられる。でもご年配の方は“そんなのわかんないよ~”って。一方で昭和歌謡を出すと、その逆転現象が起きるじゃないですか。

 でもみんな早押しクイズで強くなりたいんですよ。だから、翌月には若い方もご年配の方も、サブスク配信サービスで自分の世代じゃない曲を聴いて、ちゃんと答えられるようになっているんですよ(笑)。

 参加される人は変に意固地じゃない、というか。世代じゃない曲も吸収していくフラットな考え方の人が多いと思います。

 中には“クイズをきっかけにアーティストのファンになりました”という人もいます。これはやりがいというか、イントロの出題を続けていてよかったなぁ、と思える瞬間ですね」

──いいですね。なんだか、すごくほっこりする空間です(笑)。

「ただ、サブスクでイントロクイズを練習している人の弱点として、サブスクに解禁していないジャニーズ、ハロプロ、山下達郎さんの曲はわからないんですよね。明らかに押すのが遅いんですよ(笑)

──今の世相というか。サブスク解禁しないことで認知度が下がっていくのかもしれませんね。早く解禁してほしい(笑)。

「ほんとそう思いますね」

──藤田さんはこれまで数十年イントロに携わっているわけですが、ぶっちゃけ「もういいかな」と思うことはないんですか?

よく質問を受けるんですが、飽きないです。というのも、ヒットチャートって毎日更新されるじゃないですか。つまり毎日新しい刺激があるんですよ。

 イントロクイズも5年間毎月出題していますが、やっぱり回答者のみなさんが楽しんでくれますし、変化があるから楽しいですね。

 例えばスピッツさんの『ロビンソン』は、もうぶっちゃけ300回くらい出題しているんです(笑)。だけど最近だと『ロビンソン』を知らない若い子が現れたりするんですよ。

 時代に合わせて変化があるのが楽しいので、イントロにハマり続けられるのかな、と思います」