シャンプーは天然成分にこだわる
そして、辻さんが白髪予防にぜひ気にかけてほしいと語るのが、シャンプー選びとシャンプーの回数、そして洗い方だ。白髪を防ぎたいのなら、シャンプーはアミノ酸ベースのもので、できればミネラル分たっぷりの天然素材で作られたものを選び、シャンプーは毎日、2度洗いするようにすべきだと語る。
「1回目のシャンプーは、汗やほこり、油汚れを落とすためのもの。2回目のシャンプーで初めて頭皮の雑菌まで洗い落とせるようになるのです。シャンプーに書かれた効果も、実は2回洗って初めて期待できるもの。そしてシャンプー時には、地肌を指でつまみ上げるようにして洗ってください」(辻さん)。
正しいシャンプー選びと洗い方ができたうえで、頭皮に付着しなければ、コンディショナーやトリートメント、洗髪後のスタイリング剤は仕上がりの好みで選んで構わない。こうしたものは本来、髪の毛だけに働くもので、頭皮にはさほど大きなダメージがないからだ。ただし、頭皮用トリートメントの商品で「頭皮に塗布すること」と表記がある場合は、使用方法の通りにするのがおすすめ。
ではシャンプーは、どんなものを選べばいいのか?
辻さんがすすめるのは、フルボ酸というミネラルと相性がいい成分が含まれ、洗浄成分がアミノ酸のシャンプー。フルボ酸とはもともとは森林の土中に含まれる有機酸の一種で、植物に対しては土中のミネラルを運び、人に対してはミネラルを運ぶととともに、体内に循環させる働きがあるという。
アミノ酸はその名のとおり、皮膚や髪と同じアミノ酸系の洗浄成分を配合したシャンプーで、髪や地肌にやさしいのが特徴だ。ネットで「フルボ酸」「アミノ酸シャンプー」で検索すれば、価格もこだわりもさまざまなシャンプーがヒットするから、予算と仕上がりにあった製品を選ぶといいだろう。
とはいえ、仕上がりのよさから、どうしても従来のシャンプーを使いたいという人もいることだろう。
「その場合はすすぎの時間を長くして、シャンプーの残量物をよく洗い流すようにしてください。自然派志向の方でしたら、2%程度の濃度の重曹水(500ミリリットルのペットボトルに10グラムの重曹)で地肌を洗う、いわゆる重曹シャンプーにトライするのもいいでしょう」(辻さん)
重曹には油脂を乳化させる作用があるので、毛穴に詰まった皮脂の除去効果が期待できる。ただし、弱アルカリ性のため石鹸シャンプーを使ったあとのようなきしみが残るので、トリートメントやコンディショナー、リンスなどを使用し、髪がきしまないようにケアを忘れないようにしよう。
「白髪予防は健康な頭皮を育み、そこに黒髪に必要な栄養を届けることから始まります。これができれば、白髪予防や改善は決して難しくはありません。その効果は、髪を見ればわかります。髪は1か月に1センチ伸びるといわれますが、白髪予防を始めれば、白髪が黒くなり、ゼブラ模様になっていくことでしょう」(辻さん)
〈PROFILE〉
辻敦哉(つじ・あつや)
ヘッドスパ専門店としては日本最多の店舗数を誇る『PULA(プーラ)』創業者。管理理容師、元ヘアサロン店長。東京文化美容学校、ロンドンTONI&GUYアカデミー修了。アジアの優れた企業家に贈られる『アジアゴールデンスターアワード2017』で日本人で2人だけにしか授与されていないマスター大賞を受賞。『白髪は防げる!』(かんき出版刊)など著書多数。現在は後進の育成と、自身が考案したプーラ式のヘッドスパを習得した仲間とともに、ヘッドスパ専門店を全国展開中