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人物

総再生回数1億3000万回変身動画の仕掛け人、大月渉──メンズ特化の美容師が語る“ヘアカットを通して見えてくるそれぞれの人生”

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お話をお伺いした『DIECE SHIBUYA』の代表兼スタイリストの大月渉さん 撮影/廣瀬靖士
目次
  • 担任教師のひと言で志した美容師の道と、師匠に巡り合うまで
  • つらさもやりがいも楽しさも、すべて味わったアシスタント時代
  • ヘアカットにやってくるお客さんのさまざまな人生模様
  • ヘアスタイルを変えることがコンプレックスと向き合う第一歩に

 さえない男性が、まるで別人のようなイケメンにヘンシン──動画総再生回数1億3000万回を超える、話題の「ビフォーアフター動画」を手がけるのは、美容室『DIECE SHIBUYA(ダイス シブヤ)』の代表兼スタイリストの大月渉さん。

 この動画を見て、「自分を変えたい」「自信をつけたい」と、全国から来る男性客が後を絶ちません。その後も『マツコ会議』(日本テレビ系)で取り上げられるなど一躍、人気美容師となった大月さんに、“変身動画”を始めた理由や、自分に自信を持つコツなどをお聞きしました。

大月渉さん 撮影/廣瀬靖士
◇   ◇   ◇

担任教師のひと言で志した美容師の道と、師匠に巡り合うまで

──高校時代から友達のヘアセットを頼まれたりしていたようですね?

「そうなんですよね。高校生のときはギャル男で、髪の毛をいじるのが結構、得意でした。それでアイロンとドライヤー、ワックスを学校のトイレに持ち込んで、友人のヘアセットもやっていましたね。でも、1人あたり500円をもらってセットしていたら、担任の教師にバレてしまって(笑)。

 そういった意味では、あまり素行のいい生徒じゃなかったので、停学になりそうになることもあったんですが、そのたびに担任の先生が盾になってくれて。ただ、“金銭のやりとりだけはかばえないから、ここでやめておけ”と言われ、“これだけは守ろう”とすぐにやめたんです。

 そのとき、先生に“おまえ、そんなに好きなら美容師になればいいのに”と言われて。それがきっかけで美容師を目指しました

──その後は、美容専門学校に進学したのでしょうか?

「船橋にある美容専門学校に進学しました。でも、千葉ではなく、東京で美容師がしたかった。東京でできないのなら、美容師になる意味がないと思っていました。そのころ、渋谷にある美容サロンに髪を切りに行くようになって。そこで出会ったのが、美容師になってから自分にイチから教えてくれたお師匠さんだったんです。

 当時、ヘアカットをしてもらいながら、“美容師の離職率が多いのって、なぜなんですかね”と、いろいろと美容師に対する疑問をぶつけていました。すると、“アシスタントは確かにきついけど、スタイリストになればやりがいのある仕事ができる。それを知らないうちに辞めてしまうのは、先輩であるオレたちの責任なんだよね……”という話をしてくれて、非常に驚いたんです。

“まだ現場を知らないこんなオレにも、本音を話してくれるんだ”と思って。それでこの人の下で働きたいと思い、その場で“新卒採用の面接をやってください”ってお願いしたんです

大月渉さん 撮影/廣瀬靖士
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