毎週土曜夜11:30〜という深夜帯の放送にもかかわらず、満足度の高いドラマとして注目されているドラマ『6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の憂鬱』(テレビ朝日系)。地方都市で代々続く煙火店を舞台に、花火師親子の不思議な日常を描き出す本作で主演を務めるのは、俳優の高橋一生さんです。
高橋さんが演じるのは、花火師の家に生まれ、自身も花火師となった主人公の望月星太郎。物語は「すまん……」という言葉を残して亡くなった橋爪功さん演じる星太郎の父・航が、なんと“幽霊”になって帰ってくるところから始まります。
脚本を手がけるのは、2021年に同じくテレビ朝日のドラマ『モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~』で向田邦子賞を受賞した橋部敦子さん。『モコミ』もそうですが、ファンタジーな設定をベースに日常のドラマをつむぎ出す橋部さんの物語には中毒性があります。
星太郎と航、そしてひょんなことから住み込みで星太郎と働くことになる本田翼さん演じる謎の女性・水森ひかりの、人間2:幽霊1の奇妙な同居生活を映す本作。彼らが繰り広げる小気味よい会話劇に、いつの間にか引き込まれてしまうのです。むしろ、この物語はほぼ3人の会話で構成されていると言っても過言ではないのですが、不思議と見ていて飽きることはありません。