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音楽

来日直前のArctic Monkeys、最新作『The Car』にみる円熟した音楽性と彼らの軌跡をたどる

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画像はYouTube公式チャンネルOfficial Arctic Monkeysより「Arctic Monkeys - The Car (Official Audio)」
目次
  • ロックバンドがギターを捨てた? 
  • 野性味や粗暴さとは無縁のボーカル、アレックス・ターナーの色気

 2006年にデビューした4人組ロックバンドが、わずか数年でイギリスのトップバンドへと駆け上がり、その後ヨーロッパやアメリカの音楽フェスに引っ張りだことなるスターとなっていった。

 Arctic Monkeys。彼らの名前を聞いたことがないロックファンはいないだろう。

 そんなArctic Monkeysの最新アルバム『The Car』が2022年10月21日にリリースされ、’23年3月12日からは9年ぶりとなる来日公演が東京・大阪で決定している。世界でも有数のロックバンドとしてキャリアを積み上げてきた彼らを追いかけてみよう。

ロックバンドがギターを捨てた? 

 ロックバンドといわれて誰しもが思い浮かべるのが、爆音をかき鳴らすギタリストの存在だろう。さまざまなジャンルに枝分かれていく中で主役レベルにスポットを浴びることもあれば、アンサンブルのひとつとしてリズミカルにカッティングしていくこともある。

 いずれにせよ、ロックミュージックとギターサウンドは不可分であり、ボーカリストと同じくらいに華やかな姿と存在感を持つのが常である。

 その点、Arctic Monkeysは’13年にリリースしたアルバム『AM』以降、以前の自分たちはおろかロックバンドのようなサウンドからも少しずつ離れていったバンドであるといえる

『AM』では「Do I Wanna Know?」や「R U Mine?」をはじめ、ヒップホップやR&Bを意識した硬質なビートと比較的遅めなテンポに、70年代ハードロック的なギターサウンドが絡んでくる楽曲が多い。「Why'd You Only Call Me When You're High?」は、酒に飲まれ女性にも相手にされない酔いどれ男のブルースでもある。まるでブーンバップ(※)かのようにキック&ベースのタイトな鳴りは、今作における珠玉の名曲であろう。

※ブーンパップ:90年代のヒップホップにみられる、太いドラムを主体としたテンポの早いビート。

2013年リリースアルバム『AM』より「Why'd You Only Call Me When You're High?」
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