もしも不審者に遭遇したら、どうすべき?
──駅や帰宅の道中で、こういう人がいたら不審者だと思って気をつけたほうがいいという特徴は何かありますか?
菅原:外見的な特徴というよりも、人の視線を感じたときは十分に気をつけていただきたいです。私自身が体験したことなのですが、以前ひとり暮らしをしていたとき、薬局で買い物をしていたところ、視線を感じたことがあって。
変だなと感じて、その人のいる場所から別の商品棚へと移動したのですが、どれだけ私が移動してもその人がついてきたんですね。これは危険だと思い、即座に買い物をやめて、たくさんの人が集まる駅ビルへと移動しました。その人の存在に気がついていることを示すため、人のいる場所であえて立ち止まったりもして。幸い何事もなく終わったのですが、少し怖い思いをした経験でした。
先ほど坂井からもあったように、こういった異変に気づくためにも、ひとりのときは「ながら歩き」を控えたほうがいいでしょう。不審者がいることすら気がつかないことは非常に危険です。
──それは怖い……! 起こらないことを願いたいのですが、いざ不審者に遭遇して被害に遭いそうになってしまったときはどうすべきでしょうか。
菅原:まず1つ目は、戦わずに逃げること。これが大前提です。正義感の強い人は不審者を見つけると戦おうとしてしまうかもしれないのですが、相手はどんな人かわかりません。相手が男性であれば力も強いし、凶器を持っている可能性だってありえます。無事でいるためにも戦わずに、できるだけ人が多くいる場所へと逃げていただきたいです。
2つ目は、周囲に助けを求めるために、防犯ブザーを鳴らしたり、アプリで音を鳴らしたりすることも大切です。もし防犯ブザーなどが手元にない場合には、「助けて」と大きな声を出して助けを求めてください。
できる対策をしたうえで、やむなく被害に遭いそうになってしまった際は、ぜひこの2点を思い出してほしいです。
坂井:走って逃げる必要がある場面を想像すると、帰宅時の靴は可能な限り歩きやすいものを選んでいただけるとよいのではないでしょうか。防犯につながるうえに、震災等で帰宅困難者になってしまった場合の対策にもなると思います。
◇ ◇ ◇
後編では、「家にいるときにできる防犯術」について聞いていく。
【後編→居留守はNG! 空き巣のほとんどは5分を越えると諦める。この春ひとり暮らし女性の“在宅時の防犯対策” 】
(取材・文/市岡光子、編集/FM中西)