家にいるときにできる防犯対策

──自宅にいるときの対策で意識すべきことはありますか?

菅原:自宅の防犯対策で大切なのは、「留守であること」「女性のひとり暮らしであること」を悟られないことです。

 留守を悟られないためには、洗濯物を夜遅くまで外に干さない、タイマー式の照明などを使う、ドアスコープにカバーなどをつけて外から覗かれないようにするという方法が考えられます。

 また、女性のひとり暮らしであることを悟られないためには、帰宅時に「ただいま」と声を出す、何着か男性用の洋服をストックしておいて洗濯をするときに一緒に干すといった対策があります。

 また多くの方はご存じかもしれませんが、玄関で来訪者に対応する際、ドアチェーンはつけたままにしたほうがより安全です。最近は宅配業者を装った不審者も発生しています。何か予定外の訪問があった際は、基本的にドアは開けず、インターホンで対応を済ませるようにしておくと安心かと思います。

セコム株式会社コーポレート広報部・菅原さん

──宅配便であれば最近はコンビニや宅配ボックスでの受け取りを選べるので、より安心になりましたよね。でも、よくわからない来訪者の対応は、怖い思いをするくらいなら、居留守で済ませたいと感じてしまいます……。

菅原:いえ、居留守は実は危険な行為なんですよ

──え! そうなんですか?

菅原インターホンに反応しないことで、侵入者がこの家は留守だと判断して、侵入しようとするかもしれません。在宅時に侵入者と鉢合わせてしまう危険性があります。

坂井大半の侵入者は事前に下見と確認をしますが、そのひとつがインターホンでの不在確認です。私が以前担当したお客様にも、自宅で寝ていたときにインターホンに対応できずにいたら、窓ガラス越しに侵入者と鉢合わせてしまったという方がいらっしゃいました。ついついやってしまいがちな「居留守」は使わずに、インターホンできっちりと対応することが実は大切な防犯術なのです。

──居留守が実は危険につながる行動だったとは、知りませんでした! 侵入者は下見をするというお話がありましたが、もしかしてゴミの出し方も気をつけたほうがよいのでしょうか?

菅原:そうですね。ゴミは個人情報の宝庫で調べられるといろいろなことがわかってしまいますから、なるべくゴミ収集の時間に合わせて朝に出したほうがいいです。

 あとは意外とやってしまいがちなのが、ゴミ出しなどの“ほんの数分”の外出時に施錠をしないこと。これは危険です空き巣の侵入は、無施錠が理由であることも多いんですね。「1分以内の外出なら大丈夫」「オートロックだから大丈夫」と過信せずに、家を出るときは鍵をかけることを徹底していただけたらと思います。

坂井:高層階で足場がないから外からの侵入はないと思われても、集合住宅の場合、屋上から紐を吊るしてクモのように下層階に侵入するケースや、ほかの部屋からベランダを伝って侵入するケースも多いので注意が必要です。

 また、小さい窓であれば開けていても大丈夫かというと、そうではありません。侵入者によっては関節を抜いて身体を滑り込ませることで、30センチ以上の幅があれば侵入できてしまいます。どんな窓も開けっ放しにせず、施錠しておく。基本中の基本ですが、重要な防犯対策です。