「オートロックで、網ガラスだから大丈夫」は危険!

──ほかに気をつけておいたほうがよいポイントはありますか?

坂井:窓に関連して、網の入った窓ガラスは防犯になると思われるかもしれませんが、これは「防火ガラス」といって火災があったときにガラスが飛散するのを防ぐもので、防犯を目的につくられたガラスではありません。鈍器で叩けば簡単に割れてしまうので、防犯フィルムを貼るなどの対策をすると安心です。

菅原:エレベーターの乗り方についてもお話させてください。集合住宅でエレベーターがついていることも多いと思うのですが、女性の場合、エレベーターに乗る際は周囲に誰もいないことを確認してから「ひとりで乗る」が鉄則です。もし誰かと一緒に乗ることになってしまった場合、非常電話のついているエレベーターボタンのすぐ近くで、壁を背にして立っていると安心かと思います。異変を感じたり、怖いと感じたときは、ためらわずに近くのフロアで降りてしまいましょう。

 オートロックの家でも、鍵を開けた住民と一緒にメイン玄関を通り抜ける形で不審者が侵入できてしまうんです。集合住宅の内部にいるから安心というわけではなく、どんな場所でも常に警戒心を持っておき、対策をとることは大切です。

──これから新生活を始める読者に向けてメッセージをお願いいたします。

坂井:まずは、新生活のスタート、おめでとうございます。勉強に仕事に、これからの生活をとても楽しみにされている方も多いでしょう。

 防犯については、「自分は大丈夫」と考える方もいらっしゃるのですが、空き巣や暴漢などの被害は、誰しも遭うリスクがあります。自分を過信せず、できることをひとつずつ行っていただけたらと思います。今回の取材内容が、みなさまの安全と実り多き新生活につながればうれしいです。

菅原:狙われるときは誰でも狙われてしまいます。防犯について他人事ではなく、自分事ととらえて行動するのが大切です。セコムでは女性向けの防犯対策について専用サイトで情報発信していますので、もしよろしければこちらもチェックしていただけたら幸いです。安全に気をつけながら、新しい生活をぜひ楽しんでくださいね!

(取材・文/市岡光子、編集/FM中西)