『ウルトラマン』『天才てれびくん』2大作品が自身の礎に
──『大!天才てれびくん』を経て、ウルトラマンシリーズ『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』に出演されました。大きな作品に名を連ね、金子さんが歴史をつくっていった過去作品を、改めていま振り返ってどんなことを思いますか?
「自分が小さいころから“ウルトラマン”も“天てれ”も見ていたので、そこに自分も入れたのは嬉しくもあり、逆に“もっともっと頑張らなきゃ”っていう気持ちにもなりました。
2作品とも本当に貴重な経験をさせていただいたので、いまでも感謝の気持ちでいっぱいです。“いつかまた、そんな作品に出られるように成長したい”というのが、ひとつの原動力になっています」
──いまもご自身の中に根づいているんですね。
「そうですね。“天てれ”のときは、事務所に入ってから半年ぐらいのころだったので、ほんとに“普通の子”が出てたんです。それを取り上げていただいたのがありがたかったですし、ウルトラマン作品は、俳優として初めての仕事だったので。
右も左もわからない僕に、スタッフさんや共演者の方が優しく温かく接してくださって。その経験は今後に生かしていきたいです」
──2作品で印象に残っていることは?
「まず、“天てれ”ですが、僕が選ばれた理由は“普通の子だったから”だと、ディレクターさんに言われました。“事務所に入って半年、人見知りをする何もわからない等身大の子……その普通さがいい”と、言ってくださったのを今でも覚えています。
僕は、何かが突出してるわけでもないし、普通の子……って、ちょっとコンプレックスに思ってたんですけど、“ああ普通でいいんだ”って思えたのは、そう言っていただけたから。
“ウルトラマン”作品では、泣くシーンが思い出に残っています。段取り、テスト、本番っていう順序を踏んで撮影をするんですけど、段取りとテストで泣きすぎて、本番で泣けなくて撮影を少し止めてしまったんです。
そのときに監督に、“いまどういう気持ち?”、“役としてどう思ってるの?”って問われて、ちゃんと役の気持ちを考えたら泣けたんです。
そのあと監督から、“このままじゃ大変だから、自分でちゃんと調整できるようにしなさい”って言葉をかけていただいて、自分が成長しなきゃいけない部分が明確になった。
そのシーンの撮影のときに、近くに体育館があってセミの鳴き声や、剣道の“メーン”っていう声が入っていたので、後日アフレコをすることになったんです。
自分の声にもう一回、自分で泣き声をあてたのですが、アフレコが終わったあとに、監督から“成長したな”って声をかけていただいたのを、いまでも覚えてます」
──成長つながりでいうと、金子さんは今年大学を卒業されましたね。同じように新生活を迎える方もたくさんいると思います、そんなみなさんにメッセージをお願いします。
「僕も3月で大学卒業して、4月からは芸能活動一本になります。芸能界に入ったころから学業との両立、二足のわらじみたいな状態だったのがひとつになるっていうのは、やっぱり不安もあるんです。
でも“がんばっていれば報われる”、“もしかしたらここ(選択した場所)じゃないかもしれないけど、でも、頑張ったことは絶対に役に立つと思うし、なるようにしかならん”としか思ってないので。物怖じせずに自分らしく頑張るのがいちばんです」