緊張すると、なぜだか鼻水ってピタッと止まるよね〜

 でね、こんだけ花粉症に悩まされてる僕なんだけど、緊張からかな、舞台でお客さんの前に立つとピタッと止まるの。不思議。ある意味、特異体質。花粉さんも空気読んで、そこまでやっちゃ悪いよって思ってんだろうね。そういうときは出てこない。これってすごくない? ほかの人が言ってるの聞いたことないけどね。僕しか言ってない。ナレーションの仕事なんて、鼻水だらだらで今日はしゃべれないと思いきや、ブースの中に入るとピタッと止まってしゃべれる。

 みんな緊張すればいいんじゃないかな。大事な会議でしゃべらなくちゃならないとき、緊張で鼻の通り、よくなってない? 学校で今日の日付が自分の出席番号だったと気づいたとき、絶対に指されるという緊張。それから、久々の歯医者さんでの待ち時間、緊張して鼻水止まってない? 駅とかに置かれた自由に弾いていいピアノを弾くときATMで10万円おろして外に出るとき。電車にやばいヤツが入ってきたとき。ゲームやっててラスボス登場。オロナミンCのキャップを引っ張る瞬間。探偵会社で浮気調査結果の封筒の裏の紐をくるくるして開けるとき。カラオケで歌っていてラップの部分が近づいてきたとき。緊張する場面は違えど、誰でも花粉症を止めれる機会はあると思うんだよね。

「つぶやきシロー現象」が世間をにぎわせちゃうかもね〜

 本屋さんに入るとトイレに行きたくなるという現象。医学的に解明されてなく、新聞の投稿欄に掲載され、青木まりこさんという方が書いたということで、この現象を「青木まりこ現象」というのは有名な話だよね。だから緊張すると花粉症がおさまることを誰も言ってないし解明されてないなら、僕が新聞に投稿して「つぶやきシロー現象」として後世に名を残す可能性もあるよね。先にこのフムフムニュースに載るから、大元はここだね。タイトルも「つぶやきシロー現象とは?」でお願いします。

 2人目じゃない? 日本人の名前が付く現象。クイズ番組の問題とかにされるのかな~。「あるタレントが、フムフムニュースの連載コラムに書いたことがきっかけで、人が緊張状態にあると、花粉症の症状が出なくなる現象を、そのタレントの名前にちなんで、なんというでしょう?」クイズ王なら「あるタレントが、フムフム・・・」ここでピンポーン! って早押ししてくるな。

 この現象名ばかり広がって、若い子なんか街頭インタビューで「『つぶやきシロー現象』のつぶやきシローって、この人なの!」とか・・・あれ、鼻の調子がいい。花粉症が止まった。緊張してるんだ! 自分の名前の付いた現象が世に知れわたることに緊張して、つぶやきシロー現象になってる。ホントだよ! ホントに鼻水止まってる。つまり今までは緊張感を持って、このコラムを書いてなかったってことだ。少なくても今回、書き始めは鼻水が止まらなかった。身体が反応して初めてわかった。認めたくないし言いたくないけど言いました。それでもこの「つぶやきシロー現象」を証明したかったんだよね。僕の勘違いかもしれないけど、本気で思うところから始まるからね。こりゃ~すごいことになるぞ! という緊張から、こんなこと言っちゃって、フムフムニュースに「ちゃんと緊張感を持って書いてください!」って怒られるんじゃないかという緊張へ。つぶやきシロー現象は続く。

 イラストのタイトルは「本末転倒」です。くしゃみをしたあとに使うためのティッシュを、くしゃみを出すために、わざわざこよりにしなくても。今の時期ならいくらでもくしゃみは出るし、もったいない。しかも『鼻セレブ』で。

(文・絵/つぶやきシロー)


【PROFILE】
つぶやきシロー ◎1971年3月10日、栃木県生まれ。お笑いタレントや俳優として活動するかたわら、2011年からは小説も執筆。2021年には、著書『私はいったい、何と闘っているのか』(小学館刊)が安田顕主演で映画化された。2022年4月、新著『こんな人いるよねぇ~──本を読んでつぶやいた』(自由国民社刊)を上梓。また、2009年から公式Twitterでほぼ毎日「あるあるネタ」をつぶやき続けて大人気に。フォロワー数は103万人を超える。(2023年3月現在)
公式Twitter→@shiro_tsubuyaki

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