──たしかに(笑)。そもそもなんで争ってんの? という共感もある。

「古くからネットでやってきた“きのこ・たけのこ論争”が、いいかげん陳腐になってきたなって感じる人も増えてきたんじゃないか、という意識もあって書いたように思います。

 いずれにしても、そういう対立を煽(あお)る記事より、“実はきのこ・たけのこ対立ネタに飽きてきてるんじゃないか”って、大きな声では言えないけど薄々感じていることをネタにすることで、笑い飛ばしてほしいと思っていますね」

──「共感」という点で、パッと思いつくのは2021年12月投稿の「アベノマスク活用した巨大スプラウト園が開園 東京ドーム2個分」というニュースですね(笑)。

余りまくっていたアベノマスクが世間の役に立つコペルニクス的転回が話題に

「あれは実際に、アベノマスクを苗床に使ってカイワレダイコンを育てたっていう新聞記事が話題だったんですよ。もうその時点でネタが成立していたんです。それで調べると実際に8000万枚の在庫があることがわかって“在庫を全部苗床にしたら大規模農園作れるやん”と」

──実際、アベノマスクの配布に関しては"ウソみたいな事実"というか。配布が決定した当時、みんな「虚構新聞かと思った」と言っていました。そこからのカウンターもありましたよね(笑)。

「そうですね。ワクチンもなかった当時、コロナで不安を感じる人が多いタイミングで“なんでマスクなんだ”ってみんな首を傾げたと思うんです。まさにみなさんに共感してもらえた例ですね

──おもしろいです。そもそも、この「新聞としてフィクションを書く」という設定が矛盾していて笑えますよね。

「虚構を引き立たせるためには“いかに現実っぽく見せるか”が重要だと思っているので"新聞っぽさ"は意識してます。最初に5W1Hを書いて大切なことからブレークダウンしていく、いわゆる『逆三角形型』の書き方を意識していますね」