女子の輪に入っていくのは、無理! 友人の鈴鹿央士や田辺桃子との関係
──ここからは細田さんのパーソナルな部分に迫っていきたいと思います。七森は女子の中に普通に混じっていますが、細田さんは女子の輪に入っていけますか?
入れないです! 無理です、無理です(笑)。僕は女性慣れしてないので。高校生くらいのころって、男子ってグループを作ってもそこにカーストがあんまりなかったし、引きずらないじゃないですか。そういう意味でも男子といるほうが楽だったので。
──女子には気を遣っちゃいますよね。キャーキャー言われるのも……?
苦手です。去年、トークショーで学園祭を初めて回らせていただいたのですが、登場したときにすごく「キャー!!」って言われるところと、拍手で迎えられるのとの差が激しくて。僕は拍手のほうが入りやすかったです。「キャー!!」とは普段言われることがないので、「え〜、なんかすみません……」ってなってしまうんで(笑)、あまり得意ではないですね。
──友達とは深い話をしますか?
しますね。同じ業界の友達が多いので、共感してもらえることやシェアできることも多いので頼りにしているし。『ドラゴン桜』で一緒になった鈴鹿央士くんだったり、『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』(2021年放送の日本テレビ系ドラマ)で一緒になった田辺桃子ちゃんとかはすごく話します。今でも集まれるときは集まろうぜっていうメンバーですね。
──自分の悩みは他人に言いにくいという人もいますが、細田さんは悩みを誰かに話しますか?
全然、話します。しんどいときはしんどいって親とかマネージャーさんには言いますけど、俳優仲間には言わないです。みんなで会うときは、自分たちがそれぞれ撮影現場で感じたことや作品に対する分析とかを持ち寄って共有するという感じです。もちろん馬鹿話もするんですけど(笑)。
──SNSなどコミュニケーションツールがたくさんある中で、話すことは大事だと思いますか?
思います。文章だと伝わりづらいこともあるし、見知った中だからこそ、みなまで言わずともなんとなくどういうことを言いたいかわかるので。LINEとかメールとかのデジタルの「好き」ってあんまり信用できないですね。だから、なるべく直接のほうがウソじゃないと思います。
◇ ◇ ◇
最後の答えに「意外に古風な考え方ですね」と伝えると、「間違いなく時代遅れだなって。節目節目で感じることが多いんで」と笑う細田さん。礼儀正しく、質問者の目をまっすぐ見て話す姿が印象的でした。これから俳優としてどんな活躍を見せてくれるか楽しみです。
(取材・文・編集/小新井知子、撮影/伊藤和幸、ヘアメイク/菅野綾香、スタイリスト/岡本健太郎)
〈PROFILE〉
細田佳央太(ほそだ・かなた)
2001年12月12日生まれ、東京都出身。4歳で活動を始める。以降、ドラマや映画で活躍。2019年に1000人越えの応募者の中から抜てきされ、石井裕也監督作『町田くんの世界』にて映画初主演。2021年に映画『花束みたいな恋をした』『子供はわかってあげない』、ドラマ『ドラゴン桜』、『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』に出演し注目を集める。2022年『もしも、イケメンだけの高校があったら』(テレビ朝日系)にてドラマ初主演。2023年はNHK大河ドラマ『どうする家康』に徳川信康役で出演、初夏には主演を務めるWOWOWの連続ドラマW-30『ドロップ』(品川ヒロシ監督)が放送・配信予定。8月からは白井晃演出舞台『メルセデス・アイス MERCEDES ICE』(世田谷パブリックシアター)に主演が決定している。
〈Information〉
■映画『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』
公開日:2023年4月14日(金)※4月7日(金)より京都シネマ、京都みなみ会館で京都先行公開
出演:細田佳央太、駒井蓮、新谷ゆづみ、細川岳、真魚、上大迫祐希、若杉凩
原作:大前粟生『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』(河出書房新社刊)
監督:金子由里奈
脚本:金子鈴幸、金子由里奈
音楽:ジョンのサン
プロデューサー:髭野純
製作・配給:イハフィルムズ