【吉田豪のプレイリスト】
趣味は課金。出ていないイベントの配信を購入
──豪さんはサブスクリプションで音楽を聴かれているのですか?
吉田:聴いていますね。プレイリストもいっぱい作っています。仕事用のリストだと、DJをやるときのために、かけたい曲をリストにガンガンぶち込んでいます。この前、10年ぶりにDJをしたんですけれど、ソフトなど全然使わず『iTunes』のリストを順番に押すっていう(笑)、デジタルなのにアナログでDJしました。今度、『CITY CHILL CLUB』(TBSラジオ)という深夜番組の選曲を頼まれたので、そちらは90年代の洋楽中心に選んでいます。
──仕事中も音楽を聴かれているんですか?
吉田:前はずっと音楽を聴いていたんですよ。それがある時期から、ラジオになって今は完全にイベント。トークイベントなどの配信を買って、それを流しながら仕事をしています。
──ご自分が出演されていないイベントの配信を買うのですか?
吉田:買いまくっていますね。それこそコメントが1個もついていないようなイベントとか。思わず、ボクが1回コメントをしたら、そのコメント1個だけで終わったり(笑)。趣味が課金なんで。
掟:趣味が課金! オタクの鑑!
吉田:「あれ買いました」「見ました」っていう言葉は、(本人に対して)本当に有効なんですよ。それだけで一瞬で距離が詰まる。
掟:「そんなものまでチェックしてんのかよ」と、ちょっと怖がられたりもするけれど(笑)。
吉田:いつ着るのかな、みたいな服も大量に買っていますからね。長渕剛フォーク時代のスタッフジャンパーとかね。メルカリを始めたばかりのときで、「10%オフチケットを使えば9万円になるぞ」って(笑)。
掟:タレントグッズの買い過ぎで金銭感覚がおかしなことになってるよ! 親が聞いたら怒るよそれ、「いらないもの買うんじゃない」って!
吉田:親にも大金を渡しているから大丈夫。
──(笑)え~それで、豪さんが最近聴いている曲は何ですか?
吉田:『爆音娘。』(注:2001年から始まったハロプロの楽曲を中心としたDJイベント)というイベントでも流したボクの大好きな1曲なのですが、矢口真里さんのソロ曲で『ひとりぼっちの部屋』。フォークソングのカバー曲で、すごく好きな曲なんです。
──曲にまつわる思い出とかありますか?
吉田:この前、イベントで矢口さんと一緒だったんですよ。ボクがこの曲をどれだけ好きなのかって話をしたらキョトンとした顔をされて……。「何、それ」って言われて。「あなたの歌ですよ」って言って、控室で曲を聴いてもらったら、「私の声だ~」って(笑)。何ひとつ覚えていなかった。
──ちなみに、どのアルバムに入っているのでしょうか。
吉田:『FOLK SONGS 4』(2003年発売)というアルバムに入っているんですよ。Cymbals(シンバルズ)の矢野博康さんがアレンジしていて、すごくいいんですよね。でも当然、サブスクにも何もない。ハロー!なので(注:ハロー!プロジェクトの楽曲はいまだ未配信)。
──おふたりは『DOMMUNE』(ライブストリーミング)で『オルタナティブ・アイドル大百科』という番組のMCをされています。いつも珍しい曲を紹介していますが、『おとといフライデー』(小島みなみと紗倉まなのユニット)の曲をかけていらして、素敵な曲がいっぱいあると改めて思いました。
吉田:それ、(かけたの)ボクですね。歌のレッスンを受けていない人のよさがあるんですよね。
掟:歌手っていう肩書がつくと、アイドルでもうまく歌わないと批判されたりする。でもセクシー女優さんって、本職があるから歌は下手でも大丈夫だし。だからこそ、朴訥(ぼくとつ)とした歌い方のものができあがることがあって、それがよかったりする。そこに、アイドルとしての魅力がすごくあふれているっていうか。プロとしての指導を受ければ受けるほど、違う宝石としてカッティングされていっちゃう。磨いていない状態で見せていただきたい!
・『FOLK SONGS 4』より『ひとりぼっちの部屋』矢口真里
(取材・文/池守りぜね)