大役のプレッシャーを感じさせないノリのよさ
生放送を見学して印象的だったのは、蓮華さんがとにかくノリのいい方だなということ。トーク中の笑顔はもちろんのこと、驚いたときも手を広げて大きくのけぞれば、でか美ちゃんが「こねくちょん」テーマ「寝床、どこ?」に引っかけて振った、お笑いコンビのジョイマンのラップネタを真似しておどけてみせる。
そのノリのよさは、YouTube生配信でも伝わると思いますが、蓮華さんは放送前にスタッフと打ち合わせや談笑をしているときも、生き生きとしたリアクションが目立っていました。
「次の日が楽しみ」「とにかく1週間ずっと“楽しい、楽しい、楽しい、楽しい”という気持ちになれるのがスゴいなと」
お話を聞いた際に、蓮華さんからよく出てきたフレーズが「楽しい」。帯番組のメインパーソナリティという大役を任されたプレッシャーも生半可なものではないと思いますが、それよりもまず、彼女自身が本当に「楽しんで」ラジオに参加していることが、手に取るように伝わってきました。
「どちらかというと口下手で緊張しい」と語っていたものの、以前に電線愛好家としてインタビューしたときから思っていたのが、蓮華さんは実に頭の回転が早く、話し上手だということ。1つの質問にも、必ず2つ、3つの返答をしてくれるので、聞き手も質問のバリエーションが増えて、キャッチボールのような会話になる。
ノリがよくて、頭の回転も早いからトークも広がる。そして何よりもラジオ愛にあふれている──蓮華さんが『こねくと』のメインパーソナリティに起用されたのも、運命かつ必然だったのかもしれません。
(取材・文/松平光冬)
《PROFILE》
石山蓮華(いしやま・れんげ) 1992年生まれ、埼玉県出身。電線愛好家・俳優・文筆家。電線愛好家として『タモリ倶楽部』などのメディアに出演するほか、2022年より日本電線工業会公認「電線アンバサダー」としても活動。俳優として舞台や映画、CMなどに出演中。文筆家として「電気新聞」「ウェブ平凡」などに連載・寄稿。晶文社より読書エッセイ『犬もどき読書日記』を刊行。最新刊エッセイ『電線の恋人』(平凡社)が好評発売中。