──発売当初からPUBGの日本チームは世界大会に出ていたんですか?

「もちろん出ていましたが、いい成績を残せていなかったですね。やっぱり海外のチームは強いんです。僕も本当に“悔しい”と思い続けてきました」

──日本チームがPC版FPSゲーム分野でなかなか勝てなかったのはどうしてなんでしょう。

「単純に日本は遅かったんですよね。海外チームは日本でe-Sportsが盛り上がる何年も前から、フルタイムでプロゲーマーに給与を支払い、育成する環境がありました。日本はここ3年くらいでようやく追いついてきたかな、くらいで」

──そうなんですね。日本はどうして遅れをとったんでしょう。

いろいろと要因はあると思いますが、ゲーム人口が少ないからだと思います。例えば日本だと任天堂やソニーなどのハードウェアが広まってますよね。だから『ストリートファイター』や『大乱闘スマッシュブラザーズ』は子どものときからみんなやると思うんですよ。すると自然と切磋琢磨できるから、日本チームって世界トップクラスで強いんです。

 でもPC上でチームを作ってみんなで遊ぶ文化って、日本だとまだ少ないですよね。一方で海外では子どものころから普通にPCでゲームをしている。だから日本ではプロ選手の育成が遅れたんじゃないかな

遅れをとっていた日本チームが世界3位まで躍進

OooDaさんは「全国高校eスポーツ選手権」でもキャスターを務めている。次世代の日本代表との交流も活発だ

──おもしろいです。ゲーム大国の日本ならではの現象かもしれません。ただ、そんな中2022年に日本代表チームの「ZETA DIVISION」が5対5のFPSゲーム『VALORANT』の世界大会で3位になりました。

いやぁ、もう大事件でしたね。5対5で戦うVALORANTのような競技は日本チームはずっと勝ててなかったんです。そんななかでの3位だったので、僕も感動しました。

 メンバーの苦労も知っていたので、いろんな思い出がフラッシュバックしてきて、グッときましたね

──選手への思い入れが深いのは、近くで実況し続けているOooDaさんならではの感情ですね。

「そうですね。僕も日本国内の大会からずっと実況をしていて、代表として海外に出て行って一矢報いてほしいと思いつつ、無残に散っていく姿を見てきたので……

 他のスポーツと違って、e-Sportsって違うゲームタイトルの選手になることもあるんですよ。ZETA DIVISIONのメンバーのなかには、VALORANTの代表になる前に他のゲームの選手だった人もいるんで“やっと報われたな……”と、個人的にも感慨深かったです」