演じる役のバックボーンを考えるのが好き

──写真集を拝見して、八木さんの表現者としてのますますの可能性を感じました。今回のような写真のほかにも、演技や歌、ダンスなどさまざまな「表現」をされていますが、表現をするうえで大切にされていることを教えてください。

 映像作品の場合は、演じるその世界で、その役の人生を瞬間ごとに生きないといけないなと思っています。いろいろなシーンがありますが、その感情の起伏はとても大切にしてやっています。あとは、見えないところでも自分で考えながらやるようにしています。

 例えば、僕に警察官の役が来てその台本を渡されたとしたら、その人のバックボーンや「この人は子どものころ何をしていて、何が好きで……」ということを考えるんです。そういうことって、しっかりと作品の中で描かれていないとわからないことじゃないですか。もし作品の中であまりそういうところに触れていなかったとしたら、自分で「今こういう風になっているけど、昔はこうだったんじゃないかな?」っていうことは、結構考えますね。

八木勇征さん 撮影/篠塚ようこ

――写真集のインタビューでも、幼いころから「もし~だったら」や「例えば……」と想像するのが好きだったとおっしゃっていましたね。

 警察官だったら、単純に「なんで警察官を目指したんだろう」って思うんですよ。あとは、その仕事を志したルーツも気になります。「過去に何か悲しいことがあって、2度と同じことを繰り返さないために自分は警察官を目指した」とか、1人の役によって本当にいろいろなパターンが無限にあると思うんです。そういうことを考えるだけでも楽しいですし、自分なりに演じる役のバックボーンをいくつか考えていれば、より深くそのキャラクターに入り込めると思うので、そういうところはとても大切にしています。

八木勇征さん 撮影/篠塚ようこ

――では、これからの「表現者・八木勇征」が目指すところを教えてください。

 目指すもので言うと、演じたことがない役がまだまだあるので、いろいろな役職や性格の人物を全部コンプリートできるようになりたいなというのは、自分の中での野望というか、目指すところではありますね。

(取材・文/根津香菜子、編集/福アニー、撮影/篠塚ようこ、ヘアメイク/大貫希代美(Luana)、スタイリスト/伊藤省吾 (sitor))

【Profile】
●八木勇征(やぎ・ゆうせい)
1997年5月6日生まれ、東京都出身。2017年「EXILE Presents VOCAL BATTLE AUDITION 5 ~夢を持った若者達へ~」で約3万名の応募者の中から選ばれ、ボーカルとしてFANTASTICSに加入。個人では俳優としても活躍し、主な出演作にドラマ『ばかやろうのキス』『沼る。港区女子高生』(ともに日本テレビ)、映画『HiGH&LOW THE WORST X』『劇場版 美しい彼~eternal~』などがあるほか、現在放送中のドラマ『ホスト相続しちゃいました』に出演中。FANTASTICSとしては、6、7月にアリーナライブ「FANTASTICS ARENA LIVE 2023 “HOP STEP JUMP”」が決定。

【Information】
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価格:特別限定版 2970円(税込)/通常版 2640円(税込)
撮影:田尾沙織、宮脇進、小田原リエ
仕様:B5判・並製・192ページ