チャームポイントの大きな耳の秘密は……

大きな耳(左)と大きな目(右)が特徴! 撮影/鈴木ゆう子

 ピーポくんのデザインにはさまざまな意味が隠されています。

ピーポくんの大きな耳は都民の声を幅広く聞くため。アンテナは社会全体の動きを素早くキャッチするため。目は社会のすみずみまで見渡すためです。ピーポくんは、いろいろな動物のかわいらしい部分をイメージ化してデザインしています

ピーポくんはなぜオレンジ色? 撮影/鈴木ゆう子

 ピーポくんのオレンジ色のボディも目をひきます。オレンジを採用した意味とは何だったのでしょうか。

作者の上原先生(※)がおっしゃっていたのは、赤はパトカーの赤色灯を連想するため、マスコットには赤以外の色を考えたそうです。パッと見て目立ち、親しみやすい色として、現在のオレンジ色になりました

※ピーポくんをデザインした上原幸子さん(現・武蔵野美術大学教授)

 名前の由来は、「“人々”の『ピープル』と、“警察”の『ポリス』の頭文字を取って『ピーポ』と名づけました」とのこと。パトカーのサイレンの音かと思いきや、実は違うのです。

「ピー子」に「ピー太」も。ピーポくんファミリーを探る

 ピーポくんには、実は家族もいます。

ピーポくんが警視庁のシンボルマスコットとして定着してきたことから、庁内外からピーポくんのファミリー誕生の機運が高まりました。専門家を含めた関係者で検討・協議し、昭和63年(1988年)1月7日にファミリーが制定されました

 ピーポくんと両親、妹弟の5人からスタートし、祖父母が加わって、現在の7人家族に。それぞれの名前はなく、父を「おとうさん」、母を「おかあさん」、「いもうと」「おとうと」「おじいさん」「おばあさん」の呼び名が使われていたといいます。

ピーポくんファミリーはイベントにも登場。詐欺被害の注意喚起や防犯、交通安全に関わる発信を行っています 写真/時事通信フォト

ピーポくんファミリーの活動が始まり、警視庁内の各部署から、ピーポくんの妹と弟に愛称を付けてほしいという要望が多く出てきました。さらに効果的な活用を図るために、平成元年(1989年)7月6日、妹を『ピー子』、弟を『ピー太』と定めました

 ピーポくんに、ピー子ちゃんとピー太くん。名前がつくとより一層親しみがわいてきます。