でか美ちゃんが語る「好き」を追求することの大切さ、いい息抜きの仕方とは

──10代のころの夢は叶(かな)っていますか?

「地元の三重県にいたころは、もっと正統派の歌手になると思っていたので(笑)、そのころの夢とはズレてしまったけれど、想像よりも面白い人生になっているなと思います。タレントやアイドルって、誰から見ても可愛くないとなれない職業だと考えていました。だから、まさか自分がテレビに出られるなんて思ってもみなかったんですよ」

──もし、でか美ちゃんのようにマルチなタレント活動をしたいと思っている人には、どのようなアドバイスをしますか?

「偉そうかもしれませんが、私の場合は、自分が好きだったものがどんどん仕事につながるきっかけになっていったんです。例えば、“ハロプロが好き”って言っていたら、ハロプロ関係の仕事をいただけるようなったり、今度はアイドルイベントのMCの依頼が来たり。思えば、自分が何をやりたいかを、ずっと口に出してきました。でも、好きなものに対しては、仕事のためとか、にわかではなく、“本当に好き!”でしたね。だから、その“好き”を突き詰めたら、何かが開けるときが来るかもしれないと思っています

──最近は、「オタクになれない」「1つのものにがっつりハマったことがない」という悩みも聞きますが。

「それはもう、生まれ持った気質かもしれないですね。だって、頑張らなくても勝手にハマっていきますから(笑)。でも、オタクになれない人は無理してハマらなくてもいいと思う。ちょっとしたマイブーム的な感じで、すぐに飽きたっていいですよね」

──先ほどから、仕事が充実しているという印象を受けるのですが、息抜きはどのようにしていますか?

「基本的に好きなことを仕事にしているので、苦痛とかないんですよ。ハロプロのコンサートを観に行ったりとか、友達とご飯を食べに行ったりとか、本当にベタな息抜きをしています。“今日は誰かと話したいな……”って思ったときに誰とも会えなそうでも、“じゃ、ライブに行けばいいや”って気持ちの切り替えができる。そういう意味では、息抜きの仕方がうまいかもしれないですね」

否定をしなかった両親に感謝。今後は「社会貢献の分野で影響を与えられる人に」

──でか美ちゃんからは自分の思いや気持ちを隠さずに伝えて、それを叶えていく強さを感じたのですが、どのようにして身についたと思いますか?

「大人になってから周りの人の話を聞いてみると、子どものときに親から言われたことがずっと残っている人って多いんですよ。うちの親は、私が言うことを一切、否定せず、“いいよ、やってみれば”と背中を押してくれるタイプでした。失敗すると“それは、あなたのせい”と放任されたりもしましたが(笑)。本当に困ったときは助けてくれたり、親がなんでも受け止めてくれたのが大きかったなって感謝しています

──でか美ちゃんが仕事をしていくうえで、大事にしていることはありますか?

「先ほども似たようなことを言いましたが、好きなものに対して、“好き”って発信していくことは大事にしています。例えば、家の中で“でか美ちゃん可愛い”って思ってくれても、私には一生届かないじゃないですか(笑)。みんな、好きっていう言葉は、本人や周りにどんどん言っていこう! って思います」

──ちなみに、ハロプロ以外でもハマったものってありますか?

「最近は『RRR』('22年公開のインド映画)にすごくハマって映画の話をするためのイベントを組んだりしました!」

──すごい行動力ですね!

何かにハマるときは、どこかにアイドル性を見出していると思います。歌やパフォーマンスも好きだけれど、グループ内でのメンバーの関係性が好きなんです。だから映画の中でも、登場人物同士の絆にハマってしまう。『RRR』も『ベイビーわるきゅーれ』('21年公開日本映画)も、その部分に反応しちゃいました。結局、好きになるものって、何かしら要素がすごく似ているなって

──最後に、今後やってみたいことはありますか?

「例えば、“有名になりたい”ってすごく漠然とした夢じゃないですか。そこから、“有名になって何がしたいのか”って考えたら、自分の影響力で何か社会貢献につながるようなことができたらいいなって思うようになったんです。動物保護に関心があるので、『でか美祭』(8月8日におこなわれているでか美ちゃん主催のフェス)では、ステッカーを作ってその売り上げを動物保護団体(『NPO法人犬と猫のためのライフボート』)に寄付しました。そうやって自分の興味がある分野で影響を与えられる人になれたら最高だなって思いますね

これからもそのポジティブさと行動力で、どんどん道を切り開いていってください! 撮影/矢島泰輔

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 等身大の言葉で今の気持ちをストレートに伝えてくれるでか美ちゃん。歌手活動だけではなく、テレビやラジオなど活躍の場が広がっているのも、嫌味のないキャラクターが好かれているのだと感じました。ライブハウスや、今後もアイドルというフィールドを超えて、どんどんビッグになっていく姿を応援しています!

(取材・文/池守りぜね)


【PROFILE】
でか美ちゃん(でかみちゃん) ◎1991年、三重県生まれ。コメント力に定評があり、『有吉反省会』(日本テレビ系)でブレイクを果たした後、自身の楽曲の作詞作曲やライブ活動、楽曲提供、グラビア、映画出演、コラム執筆などジャンルやメディアにとらわれず活動中。一度聞いたら忘れられない芸名“ぱいぱいでか美”で活動していたが、いろいろ考えて2021年12月、現在の親しみやすい名前に改名。現在はTBSラジオ『こねくと』の火曜パートナーや『BOOKSTAND.TV』のMCとしても活躍している。

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