泣いても大丈夫! 初の赤ちゃん向け映画が公開に

(c)SPMOVIE2023

──5月19日に『シナぷしゅ THE MOVIE ぷしゅほっぺにゅうワールド』が公開されました。なぜ映画化を考えたのですか?

 テレビ番組を立ち上げたときから、「いつか絶対、映画も作ろう」と決めていました。赤ちゃん向けのテレビ番組が民放になかったように、赤ちゃん向けの映画もありません。絶対に需要があると思いました。

 赤ちゃんが小さいときはどうしても劇場から足が遠のいてしまいます。そんな中で、“0〜2歳の赤ちゃん向け映画”と銘打った作品があれば、みんな行きたいだろうなと思ったんです。映画館という非日常空間は、大人でもわくわくするし、家のテレビで見ていたコンテンツを大きな画面でお友達と見ることは忘れられない体験になるだろうって。レギュラー放送を3年間続けてコンテンツの土台が固まってきたタイミングで、映画化を進めました。

『シナぷしゅ THE MOVIE ぷしゅほっぺにゅうワールド』の場面カット。歌舞伎絵に登場する顔に変わってしまう「ぷしゅぷしゅ」 (c)SPMOVIE2023

──映画の紹介ページには「真っ暗じゃない照明、やさしい音量、泣いても大丈夫。」とあり、赤ちゃんや親御さんへのやさしさを感じました。

 子連れの映画で何がいちばん緊張するって、静かな場所でうちの子だけが騒いでしまう、あの申し訳なさです。入場者に音の出るタンバリン(※第1弾の数量限定先着入場者プレゼント「ぷしゅぷしゅタンバリン」)を配布したことで、「この映画はそもそも静かに見る作品ではないよ」「泣いたって大丈夫だよ」というメッセージを伝えることができました。映画館では、みんなタンバリンを振り回すし落っことす(笑)。劇場はにぎやかで、赤ちゃんが泣いても離脱せず、親御さんが端であやしていましたね。親子で安心して過ごせる空間が成立していました。

──赤ちゃんの映画館デビュー「にゅうシネマたいけん」を楽しめるよう、細やかな仕掛けもたくさんありました。

 親はわが子の“初めて”に立ち会い、記念に何かを残したい、写真を撮りたいと考えます。映画上映の最後に、座席から記念撮影ができるようにしました。たとえ泣いてしまっても、来てよかったと思ってもらえるかなと。さらに、劇場で販売しているパンフレットには、記念に撮った写真を貼るスペースも用意しました。映画のストーリーをそのまま持って帰ってもらうという意味で、映画を追体験できる絵本のようなパンフレットを作りました。

映画パンフレットは絵本のような装丁で、赤ちゃんも読みやすい 撮影/fumufumu news編集部

 公開時期は暑すぎず寒すぎない5月で、GWの混雑が落ち着いた19日に設定しました。少しでも映画館デビューのハードルを下げたくて、お出かけしやすい時期を選んだのもこだわりです。そして子どもを連れていると細かいお釣りの出し入れをするのが大変なので、1000円ポッキリというできるだけシンプルな料金体系にしています。