結婚がゴールではないからこそ、そこに幸せがある

 実際に私も、10年ほど前までは、友人たちと「お金持ちと結婚して遊んで暮らしたい〜」なんて言い合っていました。

 でも、いまでは「結婚したってどうなるかわからないから、仕事は辞められないよね」と言っている人が大半。ふと、桜子さんが令和に降臨したら、どんな結婚観を語るんだろう……と考えることがあります。

 だけど、結婚はしんどいことばかりじゃない。他人同士が家族になって、一緒に暮らしていくのは大変なことも多いけれど、その分幸せを感じる瞬間もある。『王様に捧ぐ薬指』でも、契約結婚から始まった偽装の夫婦が、どうにか本物の愛を手に入れようともがいています。

『逃げ恥』もそうでしたが、契約結婚をテーマにしたドラマって最終的に本当の夫婦になりますよね。『王様に捧ぐ薬指』はまだどこにたどり着くのかわからないけれど、少なくともお互いに好意があるのはわかる。

「それじゃ、ドラマにならないから!」というマジレスは置いておいて、そもそも愛のない契約結婚をして、ずっと相手に無感情なまま生活をする夫婦っているんですかね?

 契約という形でも、結婚するってことは、やっぱりそれなりには愛があるということなのか……? いつか、最後まで“ガチ”の契約結婚のドラマがあったら、それも面白そうだなぁなんて思います。

(文/菜本かな、編集/本間美帆)