0427
「1日1フム」生活。- フムフムニュース -
fumufumu news サイト休止のお知らせ

若い世代や海外からも注目されている昭和ポップス。本連載では、'80年代をメインに活動したアイドルの『Spotify』における再生回数と当時のCD売り上げをランキング化! データから過去・現在のヒット曲を見つめ、さらに、今後伸びそうな“未来のヒット曲”へとつながるような考察を、歌い手本人や関係者への取材を交えながら展開します♪

音楽

増田惠子、愛を募らせた中島みゆきをカバー! 時代を超えたピンク・レディー賞賛の声には「生きていてよかった!!」

SNSでの感想
増田惠子さん。キラキラとした笑顔に取材序盤から惹きつけられた 撮影/伊藤和幸
目次
  • ケイ、「マンデー・モナリザ・クラブ」にひときわ思い入れが強い理由は?
  • 地方でファンの喜ぶ顔を見られることが“心の栄養補給”になっていた
  • 「愛が生まれた日」カバーが大人気!「私の個性を気に入ってくれたらうれしい」
  • 5年前から練習していた中島みゆきの名曲「慕情」をステージで熱唱
  • 時がたっても賞賛され続けるピンク・レディー。「生きていてよかった!!」
What's「未来へつなぐ昭和ポップス」?

 今、若い世代からも、また海外からも熱い注目を浴びている昭和ポップス。昨今では、音楽を聴く手段としてサブスクリプションサービス(以下「サブスク」)がメインで使われているが、必ずしも当時ヒットした楽曲だけが大量に再生されているわけではなく、配信を通して新たなヒットが生まれていることも少なくない。

 そこで、本企画では1970年、80年代をメインに活動した歌手の『Spotify』(2023年5月時点で5億1500万人超の月間アクティブユーザーを抱える、世界最大手の音楽ストリーミングサービス)における楽曲ごとの再生回数をランキング化。当時のCD売り上げランキングと比べながら過去・現在のヒット曲を見つめ、さらに、今後伸びそうな“未来のヒット曲”へとつながるような考察を、本人または昭和ポップス関係者への取材を交えながら進めていく。

 今回も、ピンク・レディーのケイこと増田惠子(以下、「ケイ」)とともに、現在のSpotifyでの人気曲や、DVD BOX『ピンク・レディー・クロニクル』の見どころ、さらには増田惠子としてのソロ活動についても触れていきたい。

 その前に、食事や睡眠時間の確保も難しかったというピンク・レディーに、仲良しのアイドルがいたのか尋ねてみた。

「花の中3トリオ(森昌子さん、桜田淳子さん、山口百恵さん)や岩崎宏美さんは同じオーディション番組『スター誕生!』(日本テレビ系)出身ということもあって、仲良くしていただきました。特に、百恵ちゃんとは話が合って、たまに楽屋で会ったときも、よくお話をしました。なんとなく引き合うものがあったんでしょうね。他のみなさんも、私たちがめまぐるしく動く様子を見て“大丈夫?(ピンク・レディーのふたりは)忙しすぎるんじゃない!?”って心配して、マネージャーに訴えてくれたりして」

ケイ、「マンデー・モナリザ・クラブ」にひときわ思い入れが強い理由は?

 では、Spotifyのランキングを見ていこう。今回は第19位からとなるが、第19位から第23位までは、「レディーX」「ピンクの林檎」「逃げろお嬢さん」「スーパーモンキー孫悟空」「乾杯お嬢さん」の5曲が拮抗している。ケイのお気に入りはどの曲だろうか。

「特に好きなカップリングとなると、『レディーX』と『乾杯お嬢さん』がツートップでしょうか。『レディーX』はパンチがあるし、『乾杯お嬢さん』はサビのハーモニーがカッコいいですからね」

 ケイが個人的にもっと上位になってほしい曲はあるだろうか。

「今の私が選ぶトップ3は、第10位の『カメレオン・アーミー』と第24位の『マンデー・モナリザ・クラブ』、解散前ラストシングルだった第27位の『OH!』ですね。特に、『マンデー・モナリザ・クラブ』をいただいたときは、まさに求めていた曲! と思って、すごくうれしかったんです。何年かたって、阿久悠先生も“あの曲は、ふたりが今まで頑張った分のご褒美だった”と、何かでおっしゃっていたのを読みました。

 18才でデビューしてクオリティーの高いものを求められる中で、当時は(忙しすぎて)なかなかレッスンする時間がなく、歌がうまいなんて言われたこともありませんでした。ピンク・レディーはただのブームとして片づけられていたけれど、あれだけ踊ったら歌をただ歌うだけでも大変、ということを知ってほしかった……。でも『マンデー・モナリザ・クラブ』は、さほど激しい振りじゃない分、歌に集中できたんです。ある評論家の方からも“ケイがすごく生き生きとしている!”って褒められて、とてもうれしかったです!」

今、改めてピンク・レディーの楽曲を聴き直すと、ふたりのユニゾンや高音・低音の響きのよさがより感じられることだろう 撮影/伊藤和幸

地方でファンの喜ぶ顔を見られることが“心の栄養補給”になっていた

 その「マンデー・モナリザ・クラブ」でのパフォーマンスも含め、TBSテレビに残るピンク・レディーの貴重映像を収めた6枚組DVD BOX『Pink Lady Chronicle TBS Special Edition』が今年4月に発売された。その発売週の売り上げは2000セットを超え、オリコン音楽DVDランキング週間7位をマーク。本作品には、『8時だヨ!全員集合』や『みどころガンガン大放送』のようなバラエティー番組、『ザ・ベストテン』『サウンド・イン “S”』といった音楽番組、さらにはコンサートを収録した番組や『日本レコード大賞』など、さまざまな番組でのピンク・レディーが堪能できるが、ケイのイチオシはどれだろうか。

「やっぱり、ディスク5に収録された『THE LIVE』ですね! 水を得た魚のようにエネルギーにあふれているし、ピンク・レディーらしさが詰まっています。普段は東京でひたすら頑張っていましたが、週末や、全国縦断コンサートツアーなどで地方に行くと、来場者の方々の目がひときわキラキラしているんです! それは、テレビ収録では味わえない喜びです。“こんなにみんなが応援してくださるんだから、東京に戻っても頑張らなきゃ!”って、心の栄養補給になっていました

 ちなみにSpotify第1位の「渚のシンドバッド」は、フルコーラスでも約2分30秒だが、この3分足らずの中でふたりが目いっぱい歌い踊っているのもよくわかる。

「特に、コンサートではもっとテンポを速くしていたので、おそらく2分強くらいの曲になっていたかと。事前にDVD BOXをチェックしてみたら、 “こんなに速く歌わなくても!!”と自分でもビックリしました。でも、コンサートや音楽番組でテンポを遅くすると、しっかり歌い踊る必要があるので、速いテンポのほうが(体力的には)ありがたいですね。それとDVDでは、『日本レコード大賞』受賞記念で近年パフォーマンスした映像でも、私たちの成長ぶりや、完結形を見ていただけると思います!

ピンク・レディーの集大成、DVDでとくとご覧あれ! 撮影/伊藤和幸
読み込み中
LINE Twitter facebook hatena pocket copy