「愛が生まれた日」カバーが大人気!「私の個性を気に入ってくれたらうれしい」
さて、ここからは増田惠子のソロ活動を振り返ってみよう。増田惠子名義でのSpotify第1位は、なんと1994年のカラオケヒット曲のカバー。'14年にリリースされたカバー・アルバム『愛唱歌』に収録され、オリジナル曲と同様、大内義昭とデュエットした「愛が生まれた日」だ(オリジナルは藤谷美和子・大内義昭)。なんと、増田自身のヒット曲第2位「すずめ」
「そんなに聴かれているんですか! このアルバムは、タイトルの頭に『愛』がつく歌をみんなで考えてカバーすることにしたのですが、大内さんも参加してくださることになって。大内さんは、そのころ('14年)から少し体調を崩されていたのですが、翌年に亡くなられたとき、大内さんのファンの方々から”ケイちゃん、彼と一緒に歌ってくれてありがとう”って、お礼の言葉をいただいて……じーんとしました。
SNSなどでは、“オリジナルの藤谷さんのほうがよかった~”というコメントも見かけましたが、私の個性を気に入ってくださったらうれしいなと思います。大内さんのキーがとても高いため、“女性同士が歌っていると思った”と書かれているのを見ると、また新たな解釈が生まれているかもしれませんね」
5年前から練習していた中島みゆきの名曲「慕情」をステージで熱唱
そして第2位は、中島みゆきが'81年に提供した前述のソロ・デビュー曲「すずめ」。「『すずめ』が、カバー曲に負けて2位なのは悔しいです(笑)」とケイは語るが、実際は21万回以上とピンク・レディーのメガヒット並みに再生されているので、決して低くはない。しかも、本作はセルフカバー・バージョンのため、検索されづらかった可能性もある(なお、オリジナルの「すずめ」は'22年にサブスク解禁されたばかりで、再生数はもっと低い)。
さらにケイは、今年2月に『中島みゆき RESPECT LIVE 2023歌縁(うたえにし)』に参加し、ステージ上で中島みゆきの'17年の名曲「慕情」をカバーして話題を呼んだ。
「実は何年も前から 、“私にも声をかけていただきたい”ってずっと思っていたんです! それとは別にファンの方が “『やすらぎの郷』の主題歌の『慕情』っていう曲、ケイさんに合っているから聴いてみて”って言ってくださって、ドラマを観てみたら、“なんて素晴らしい曲なんだろう!”と、魂を抜かれるくらいに感動しました。今の自分の年齢や人生経験と歌詞が重なっていたんですよね。
それで、どこかで歌う予定もなく、5年ほどお家で日々、練習していたんです。みゆきさんの曲は、どうしても歌い方をマネしてしまうところがあり、もっと自分のものにしないとステージでは歌えないな、と思いつつ練習を続けていたら、このタイミングでお声がけいただいて。まさに、今こそ歌うべきだと決めていたので、歌いたい曲としてすぐにお伝えしました!」
中島みゆきには、楽曲提供以前から思い入れがあったという。
「みゆきさんは、(自分がレッスンを受けていた)ヤマハの大先輩で、レッスン生のときは、浜松にあるヤマハビル1階のレコード売り場に『時代』のポスターが貼ってあって、いいなぁって憧れていたんです。そこからピンク・レディーとしてデビューしたあと、『ザ・ベストテン』で、桜田淳子ちゃんの『しあわせ芝居』(作詞・作曲:中島みゆき)を聴いたときも、なんていい歌! と衝撃が走りました。それで、ソロになったとき真っ先に、曲を書いていただきたいとお願いしたんです。『すずめ』も素晴らしい曲ですが、時がたつとなおさら、難しいなって感じますね~」