生きる覚悟を決めたら、謝ることも簡単になった

 TAKUYA∞にそんな気づきをもらってからは、僕に対して悪い印象を持つ人は、すごく減ったんじゃないかな。10代〜20代のときは、普通に「お前のこと苦手だわ」とか言っちゃうタイプだったので。それを言うことで相手を不快にさせるとも思えなかった。まぁ、こうやって振り返ると、ひでーヤツだったなと思います。

 若いときは横柄で、そんなつもりがなくても傷つけてしまった人もいたはず。例えば、テレビ番組で「やりたくねえ」って言ったりとか、取材中の態度が悪かったりとか。当時お世話になった人の中には、今でも僕のことを苦手だと言う人はいっぱいいるんだろうなと。でも、それは身から出たサビだと思うので、言い訳するつもりはありません。

 あのころの自分はどうかしてたって、それだけじゃ済まないこともいっぱいあると思うんですよ。でも、生きる覚悟を決めた今だったら、迷惑をかけてしまった人たちに対して、ちゃんと反省して謝りたいです。昔は、頭を下げたくないって気持ちがどうしてもあったんですよね。なんでテレビに出てるだけで、周囲が勝手に持ってる俺のイメージと違っただけで、謝らなきゃいけねぇんだって。でも、不快にさせたのなら謝らなきゃいけないじゃないですか。

 僕は人格者でもないし、いい子になろうとも思ってない。もちろん悪いヤツにもなりたくないけど(笑)。もう人を傷つけたくないという気持ちはあるので、そのために頭を下げるとか、ニコニコするとかは、今となっては簡単なことです。

「許容できる範囲が広くなったんでしょうね。大人になりました(笑)」と山崎さん 撮影/矢島泰輔

「山崎裕太の芝居を見て、“すげぇ”って思わせたい」

 3歳からこの世界で仕事をしているから、プライベートのオン・オフは特にないですね。仕事も今は楽しくやってるし、休みの日でも結局、YouTubeのショートムービーを撮ったり台本を書いたり、仕事みたいなことをしているから。最近はいろんなプラットフォームがあるので、ライブ配信をしてみたりとかね。もちろん、今日は誰にも会いたくない! って思う日もたまにありますよ。そんな日は、まるまる家で寝ることにしています。寝るのは大好きだけど、3時間しか寝なくても仕事はできる。水陸両用って感じです(笑)。

 将来的なことは、細かく考えていません。来年の目標とかも、マネージャーや会社と一緒に作っていけばいいやって思っているので。その時代の流れに任せて、自分が臨機応変に動いていければいいんじゃないかなと。まぁ、80歳で死ぬと仮定してるんですけど、そこから逆算して、やりたいことをやるためには今は何が必要なのかって考えるくらいですね。

 でも、ひとつ挙げるなら、ひとり芝居かな。それを武道館でやりたいと思っているんです。今まで、役者でやった人がいないから。センターステージにして、上にはどの角度からも見えるようにスクリーンを置いて、映像を流して。それを50歳までにやりたい。正直、あんまり言いたくないんですけどね(笑)。言ってからやっちゃうと、有言実行っぽいじゃないですか。これは無言実行でもいいと思ってるから。

周囲にやりたいことをベラベラと宣言しないところが、なんだか山崎さんらしい 撮影/矢島泰輔