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社会

【警察犬の訓練所に潜入!#2】犬ごとに性格は違い、得意不得意がある「犬の力を引き出すのがハンドラーの仕事」

SNSでの感想
中川巡査部長とカーラ号 撮影/齋藤周造
目次
  • 警察犬が行方不明者や被疑者の発見に貢献
  • 普段はおてんば、仕事はしっかりやり切るカーラ号
  • 犬のお世話や健康管理も警察犬係の仕事
  • 犬の個性を尊重しながら“人犬一体”で捜査に取り組む

「お手柄だワン!」

 テレビや新聞で目にする警察犬のお手柄ニュース。警察犬が行方不明者の発見などに貢献し、表彰される報道がたびたび流れてきます。

 警視庁の約40頭の直轄警察犬も、嗅覚を生かして行方不明者の発見や遺留物から犯人の追跡、薬物や銃器の発見など、さまざまな成果を上げています。

 前編に引き続き後編でも、刑事部鑑識課警察犬係係長の五十嵐警部と、警察犬係でハンドラーを務める中川巡査部長にお話をお聞きします。

*前編→【警察犬の訓練所に潜入!#1】ペアを組むハンドラーは鑑識課所属の警察官。捜査に出動するタイミングはいつ?

警察犬が行方不明者や被疑者の発見に貢献

警視庁の警察犬はシェパード(左)とラブラドール・レトリバー(右)の2犬種が務める(シェパードは齋藤周造撮影、ラブラドールの写真は警視庁提供)

 6歳になるシェパードのカーラ号。足跡追及を中心に、さまざまな現場で活動してきました。最近も行方不明者の発見に貢献したそうです。

行方不明者の事案でカーラ号と臨場(※)し、靴のにおいを手がかりに捜索を行いました。行方不明者の捜索の場合は、まずは平面の路上を中心に行います。でもそのときは、カーラ自ら、現場近くの建物の階段を上り始めたんです。実はカーラは階段があまり得意ではなく、珍しい行動でした。そのままカーラに付いて階段を上ったところ、建物の屋上で行方不明者を発見することができました」(中川巡査部長)

※事件発生直後の初動捜査のために現場に出動すること。

 ほかにも、シェパードのウグラ号は、被疑者の検挙に貢献。タクシー強盗が発生した際、タクシーに残された被疑者の遺留品から足跡追及を行いました。現場から被疑者が居住するマンションまでたどりつき、検挙につながったといいます。

刑事部鑑識課の警察犬係係長の五十嵐警部 撮影/齋藤周造

 まさに警察犬は“鼻の捜査官”。近年では、銃器や薬物の発見でも、警察犬が功績を上げています。

「大きな成果を上げたときには、警察犬に警視総監賞や刑事部長賞などが贈られます。犬が表彰されることは、警察犬係としても励みになります」(五十嵐警部)

服従訓練中のカーラ号 撮影/齋藤周造

 そんな犬たちの頑張りをいつも見守るハンドラー。褒めたり遊んだりするほか、ご褒美として“特別なおやつ”を用意することもあるそうです。

犬にとって嬉しいおやつってありますよね。カーラの場合は、頑張ったときにいつもと違うチーズやジャーキーを与えています。特別なおやつも取り入れて、カーラのやる気を引き出すというのでしょうか。もちろん褒め方やご褒美の与え方は、担当者によって異なります。私は犬に甘いので、ご褒美は多いかもしれません(笑)」(中川巡査部長)

 警察犬の誕生日には、犬用のケーキや特別なごはんでお祝いすることもあるとか。ハンドラーは、警察犬を家族の一員のように愛情を持って育てる姿が伝わってきました。

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