『救命病棟24時』第3シリーズ
大型病院へ行くと、つい進藤先生を探す

『救命病棟24時』制作発表 撮影/週刊女性

 1999年からスタートした『救命病棟24時』(フジテレビ系列)で、いちばん感動したのが2005年放送の第3シリーズ。関東直下型の大地震が起きたという設定で、救命救急センターの様子が描かれていた。

 水も食料も休みもない逼迫(ひっぱく)した病院内。婚約者が死亡してしまった医師の小島楓(松嶋菜々子)、家族となかなか連絡の取れなかった看護師、ケアの行き届かない避難所。そこに立ち、患者を救い続けるのは、進藤一生(江口洋介)だった。もちろん1話ごとに胸打つ物語はあったけれど、印象に残ったのはこの放送からたった6年後に、私たちは東日本大震災を経験することになる。まさかドラマで見た光景が、現実になるとは想像だにしなかった。こんな奇跡のようなリンクは、できればもう体験したくない。

 そして本作は「救命救急センター」という名称を、一気に世へ知らしめた。それまでも素人ながら存在はわかっていたけれど、このドラマで存在がクリアになった。過酷な労働環境の中、患者の命と向き合う医療従事者たちを見る目が圧倒的に変わった。

2009年放送『救命病棟24時』第4シリーズの制作発表 撮影/週刊女性

 こんなことがあった。出版社に勤務していた時代、救命救急センターと同じく、ほぼ寝られない、休めない環境で編集部員だったころ。体力のある20代とはいえ、疲労で倒れてしまい、病院送りに。めったに訪れることのない大型病院へ足を踏み入れ、キョロキョロとあの青いユニフォームをつい探している自分がいた。まあ、そんな簡単に進藤先生はいなかったけれど。

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