サブスクで人気の「あの夏の笑顔に」は「ワビサビがある」と鶴久本人も太鼓判

 さらにチェッカーズ解散の翌‘93年に発表した「あの夏の笑顔に」「Bye Bye Bye」あたりのシングル曲は、それ以前に比べて確実に歌がうまくなっていることも要注目ポイントだろう。

確かに声が太く男くさくなりましたね。でも、いくら歌がうまくなっても、セールスが反比例していったのは、まぁ人気商売なので、仕方ないなと思っていました(苦笑)。やっぱり、ボーカリストであるフミヤさんの魅力が大半で、僕はボーカリストして認められていたわけではないので……」

鶴久自身の笑顔も晴れやかな「あの夏の笑顔に」のジャケット写真

 ちなみに、夏のプレイリストのいくつかに選ばれたこともあってか、鶴久名義の楽曲の中でのストリーミング最上位は、‘23年7月現在「あの夏の笑顔に」となっている。

ええ? それは意外だし、うれしいです! これはワビサビがあって、自分で言うのもなんですがいい歌ですよ! このあたりで男性のソロシンガーとしての等身大像を出そうとして、男性の作詞家の方(徳永英明などで実績のある秋谷銀四郎)にお願いしたんですね。このころ、ようやくひとりで20曲前後続けて歌えるようになって、それで声が出るようになったんでしょうね。チェッカーズ時代は、メインを数曲分歌うだけでしたから。やっぱりソロの方やバンドのリード・ボーカルの方はすごいですよ。野球で言えば、毎試合、先発完投しているわけですからね。だから、今の時代になかなか出ないのもわかります。フミヤさんはじめボーカリストを極めた人や、自分で作詞をする人も、みなさん本当に素晴らしいです!