サブスクは断然、肯定派。歌い手には「もっとチェッカーズの曲をカバーして」

 今後の予定を聞いたところ、引き続きコンペ中心で、何曲かたまったら自分のライブでも歌ってみたいとのこと。しかし、「チェッカーズのセルフカバーは苦情が来そうだからやりません(笑)」と、やんわり否定した。最後に、ストリーミングサービスでの新たなリスナーに向けてメッセージをお願いした。

「アーティストさんによっては、サブスクに否定的な方もいますが、サブスクで聴けるからこそ身近になった人も多いわけですよね。昨今ではCDを買っても、聴ける環境にある人が限られてきていますから。サブスクは、ランダムに聴くことでいろいろな楽曲との接点が増えるし、その中で自分の曲を偶然にせよ聴いてくださるというのは、とてもうれしいです! Twitterでもときどき学生さんから反応が来るのですが、“小さいころ自分の親が聴いていた曲を改めてサブスクで聴いて感動しました”なんてメッセージをいただいて、めちゃくちゃ感動しました!

 海外も含め、新たなリスナーさんがいるのはたぶん、フミヤさんが歌い継いでくれていることが大きいと思います。やはり、その原型をサブスクで探して聴くのでしょうから。それと、他のアーティストさんにお願いしたいのは、“もっとチェッカーズの曲をカバーしてください”ということですね。桃井かおりさんの『ジュリアに傷心』なんて、ものすごくカッコよくて感激しましたから。僕の曲じゃなくてもいいので、他の方もぜひお願いします!」

 鶴久は、某テレビ番組では「毎年、高級車が買えるほどの印税が入ってくる」と大胆な発言をしていたが、この取材中は終始、博多弁で、謙虚な姿勢を示し、チェッカーズを通してかかわったすべての人たちにとても感謝をしていることがひしひしと伝わってきた。アイドルスターとロックバンドの魅力を兼ね備えた稀有な存在だったからこそ、今後もチェッカーズは語り継がれることだろう。その際、彼のように音楽を愛し続ける証人がいることが、とても貴重になってくる気がする。

(取材・文/人と音楽をつなげたい音楽マーケッター・臼井孝)


【PROFILE】
鶴久政治(つるく・まさはる) ◎1964年3月31日、福岡県生まれ。'83年9月21日、 チェッカーズ「ギザギザハートの子守唄」でデビュー。サイドボーカル・メロディメーカーとして「夜明けのブレス」「Room」「ミセス マーメイド」をはじめとする数々のヒット曲を手がける。'92年12月31日、NHK紅白歌合戦への出演を最後にチェッカーズ解散。解散後もライブ、CD制作、作詞、作曲、プロデュース、役者等、幅広く活動。'22年、STU48に楽曲提供した「花は誰のもの?」は売上44万枚を超えるヒットを記録。'23年4月、ソロ名義でリリースした作品及びデュエット企画で発表した全81曲のサブスクでの配信を開始した。

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