舞台はリセットができる場所

──『ロミオとジュリエット』なので聞いてみたいのですが。もしも、ロミオとジュリエットのような障害の大きな恋をしたら、ロミオのように運命に抗おうとしますか?

 できる限り、僕の精いっぱいは尽くそうと思います。

──すぐには諦めない?

 はい。それはそうじゃないですか。やってみないとわからないことって世の中にはたくさんありますから。ロミオとジュリエットのように悲劇が待っているかもしれないので、潔く引くのも大事かもしれませんが、そんな聞き分けがいい恋愛はしないほうがいいと思います

──若者らしくて素敵です。藤野さんと2人でどんな『ロミオとジュリエット』を観せたいですか?

 台本に書いてあることを忠実にできたらいいかなと思っています。ストレートに、変化球は必要ないなと。やっぱり、これだけ愛されている物語はできあがっているものなので、台本を役者がそれぞれの役を中心に読んで十分理解したうえで、どんなふうに相手が持ってきたものと自分が持ってきたものとの化学反応を起こすかで、お芝居って作品が一緒でも絶対に変わってくると思うんですよね。

高杉真宙さん 撮影/山田智絵

──2009年に舞台『エブリ リトル シング’09』で俳優デビューされて、今まで舞台にもたびたび出演されています。高杉さんにとって舞台はどんな場ですか?

 いろんなリセットができる場だと思います。最近すごく思うんですけど、舞台ってできることしかできないんですよね。生身でお客様から360度見られるのでごまかせないですから、自分のできないことが明確になる。

 だから、自分の今いる立ち位置っていうのが、すごく見えるんです。考え方とかいろいろリセットできる場所だなと、舞台をやるたびに思いますね。そういう意味でも舞台はこれからもやっていきたいです。

後編に続きます

(取材・文/井ノ口裕子 ヘアメイク/堤紗也加 スタイリスト/菊池陽之介)


《PROFILE》
高杉真宙(たかすぎ・まひろ) 1996年生まれ。福岡県出身。2009年より活動を始め、2012年に映画『カルテット!』で初主演を務める。2014年、映画『ぼんとリンちゃん』で第36回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞受賞。近年の主な出演作に舞台『カリギュラ』(’19年)、『ライフ・イン・ザ・シアター』(’22年)、ドラマ『PICU 小児集中治療室』(’22年)、連続テレビ小説『舞いあがれ!』(’22年)、『わたしのお嫁くん』(’23年)、映画『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編』前編-運命-/後編-決戦-(公開中)など。2024年、NHK大河ドラマ『光る君へ』出演予定。

●公演情報
『ロミオとジュリエット』
【作】ウィリアム・シェイクスピア
【翻訳】松岡和子
【演出】井上尊晶
【出演】高杉真宙 藤野涼子 矢部昌暉 新原泰佑 三浦獠太 佐伯大地
皇希 田中亨 皆藤空良 菅 彩美 木村咲哉 牧野彩季 松浦慎太郎 村井友映 井上百合子
冨樫 真 廣田高志 一谷真由美 松澤一之 星田英利 石井愃一
【日程・会場】
東京公演:2023年9月13日(水)~9月24日(日)有楽町よみうりホール
大阪公演:2023年9月29日(金)~10月1日(日)森ノ宮ピロティホール
富山公演:2023年10月7日(土)~10月8日(日)富山県民会館ホール
愛知公演:2023年10月14日(土)~10月15日(日)東海市芸術劇場 大ホール
福岡公演:2023年10月21日(土)~10月22日(日)キャナルシティ劇場
仙台公演:2023年10月28日(土)~10月29日(日)仙台電力ホール

【公式サイト】https://2023-romeoandjuliet.com
【公式Twitter】@2023RandJ