欲しいものは手に入らないからこそ美しい?
桐姫は、ハルだけでなく、ずば抜けたIT技術を持つガクこと平学(佐野勇斗さん)のことも自分のものにしようとしています。ただ、ガクの場合は男性として……というよりも、素直に彼のスキルを尊敬している。たしかに、ハルとガクがタッグを組んだら、最強ですもんね。
だけどハルに対しては、そこに複雑な感情が入り込んでいる気がしてならないのです。桐姫は、ハルへの興味が、男性としての好きなのか、人間としての好きなのか。それともただ彼の持つポテンシャルに惹(ひ)かれているのか。彼女自身も、まだわかっていないのではないでしょうか。
一方で、ずっと欲しかったものって、手に入った瞬間に輝きがうせてしまうもの。ハルもガクも、手に入らないからこそ輝いて見えている。
相手の気持ちを読み取ることに長けているハルは、そのことに気づいているはず。だからハルは頑張って桐姫の“おもしれー男”でい続けようとしているんだと思います。悲しいけれど、ハルと桐姫は最後まで結ばれることはないのかもしれません(涙)。
(文/菜本かな、編集/本間美帆)