南野陽子、念願叶い高速道路での自身のCD発売に歓喜！ 京都・舞鶴に「新曲をプレゼント」など、描く未来は

「コンサートでみなさんと共通の時間を過ごせるのが大好き！」今後の意気込みは

　近年はドラマ、映画、舞台と名演が光る南野だが、音楽活動にも精力的だ。

「昨年は、オーケストラのみなさんとの共演（『南野陽子　初めてのフィルハーモニー大音楽会』）を行い、このときも自分で選曲しました。やはりオリコンTOP5入りしたようなヒット曲は外せないし、最近の曲『空を見上げて』や『大切な人』、そして昨年作った（南野が親善大使をつとめる）カンボジアへの思いをつづった『明日への虹』も歌いたいし、自分が好きな映画音楽も入れたいし……と盛りだくさんで（笑）。準備期間が2か月半しかなくて大変でしたが、後々、語れるものになるよう心がけました。

　今年も9月2日に、京都府舞鶴市でオリジナル曲を発表します。舞鶴の土地でお米作りをさせていただき、私たちがいないときは、地元の方たちが作業してくれているので、そのお礼として、心の温かい方々に曲をプレゼントするんです。一緒にやっているのが、作曲家でピアニストの宗本康兵さんで、『大切な人』も作ってもらいました。私が作詞して、宗本さんが作曲、そして海上自衛隊舞鶴音楽隊のみなさんの演奏で、当日、稲刈りの前日にお披露目する予定です。それが、舞鶴市の時報にも使われるんですよ！」

　さらに、現在の音楽活動への意気込みを尋ねた。

「私は、自分で歌が上手だと思ったことは一度もないし、歌手と名乗るには申し訳ないのですが、ただ、音楽を歌うのも作るのも楽しいし、コンサートでみなさんと共通の時間を過ごせることが大好きなんです！

　以前、あれだけ“歌を辞めます！”と言ったのに、なんだかんだと続けていますが……、厳密には、“アイドルの格好で歌うのを辞めます”というニュアンスで言っただけで、コンサートは続けるイメージだったんですよ。でも、意見がコロコロ変わるのも私らしいですよね（笑）」

　その“音楽を届けたい”という思いから、近年もCD企画に携わっているが、今年は高速道路のサービスエリアや書店など、CDショップ以外のルートで販売されている『SUPER HIT』も発売された。'80年代のシングル表題曲に「空を見上げて」「大切な人」が追加された全17曲入りだ。

「私は以前から、高速道路で売られているCDに憧れていて、“どうして私のはないんだろう”って思っていたら、ソニーのスタッフさんが頑張ってくださって、ついに発売されました！　今は配信が主流ですが、車の中で聴くCDも大好きなんです」

生き生きと語る南野の表情に、スタッフも思わず笑みがこぼれた　撮影／矢島泰輔

　最後に、リスナーに向けたメッセージをお願いすると、

「このランキング表でも、みなさんの思いが数字に表れているんだなあって感激しますし、今でもこんなに再生されていて喜ばしい限りです。だから、なんだかんだ言っても、ディレクターさんには感謝しているんですよ（笑）。シングル曲が上位なのは当然かとも思いますが、アルバムの曲まで聴いていただけているなんて、こんなにうれしいことはありません！　サブスクを入り口に、CDやライブも聴いていただけたら幸せです。あと、ゆくゆくはアナログ盤の発売も考えていますので……お楽しみに！」

　当時の共演者や関係者から、“スタッフに強い態度で話していた”というエピソードを話されがちな南野。だが、こうして各楽曲へのエピソードを通して音楽への思いを聞いていると、いずれも“ファンの人がどう思うだろうか”という客観的な視点があり、そのために妥協することなく、自分にも他人にも厳しいゆえの言動がひとり歩きしている部分も大いにあるだろう。そういった“自分はどう思われようが、いい作品を残したい”というプロ意識も、彼女が憧れてきた中森明菜に通ずるところがある。適度に気を抜いて、幅広く何でもこなしたほうがSNSでバズリやすい世の中かもしれないが、こうした高いプロ意識こそが、時代に振り回されず、この先何十年も輝き続ける気がする。そうした音楽が残っていくよう、形は変われど今後も応援していきたい。

歌い手として、役者として、人として、今なお成長を続ける南野陽子から、今後も目が離せない！　ずっと応援しています！　撮影／矢島泰輔

（取材・文／人と音楽をつなげたい音楽マーケッター・臼井孝）

【PROFILE】
南野陽子（みなみの・ようこ）　◎1967年生まれ、兵庫県出身。愛称は「ナンノ」。1985年、CBS ソニーより「恥ずかしすぎて」で誕生日デビューし、ドラマ『スケバン刑事II 少女鉄仮面伝説』でブレイク。“アイドル四天王”のひとりとして圧倒的な人気を誇る。現在は歌手活動のほか俳優業にも精を出し、2023年には映画『ネメシス　黄金螺旋の謎』や舞台『泣いたらあかん』などに出演。他にも2022年に京都府舞鶴市でお米作りを始め、2023年には日本カンボジア友好関係70周年親善大使に任命されるなど、多方面で活躍の場を広げている。

南野陽子のSpotifyアーティストページも要チェック！　※クリックすると画像と同じページにジャンプします