スサノオくんは読者の心を豊かにするツール

──漫画家デビューはどのように決まったのですか。

「コロナ禍の間、オンラインの漫画教室を受講したんです。その講座の先生に『PASH UP!』をすすめられ、持ち込みをしました」

──そこで認められたのですね。

「始めは連載ではなく読み切りでした。編集部の方が『この作品はおもしろいけれど、正直に言って、うちのサイト向けじゃないです。読み切りというかたちで一度、載せてみますか』とおっしゃってくださって。そうして単発で掲載したところ読者から多くの反応があり、『じゃぁ、連載やってみましょう!』となって、現在に至ります

初めは単発の読み切りだったが読者の反応がよく、連載が決まった (c)Robin Yasuo

──現在は熱狂的なファンを生む人気です。今後どのような展開をお考えですか。

「スサノオくんをもっと多くの人に知ってもらおうと、9月17日からクラウドファンディングを始めました。『あなたもスサノオくんに登場できる』など、驚きのリターンをご用意しています」

──これから「PASH UP!」に掲載されたスサノオくんに関心を抱いたり、 コミックスを購入してみたいと考えたりしている読者へ、なにかメッセージはありますか。

近ごろ『心が乾いてるなあ』『マニュアルどおりにしか生きられてないなあ。 自分らしく生きていないなあ』、そんなふうに感じたら読んでみてほしいですね。読者の心を豊かにするツールになれると思いますので、手に取っていただければとても嬉しいです

「近ごろ、心が乾いてるなあ」と感じたら読んでほしいと語る 撮影/吉村智樹

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 神様と少年たちの非日常(ファンタジー)。疲れた心を癒やす令和のお伽草子「スサノオくん」。実在する神社仏閣や名所が続々と登場するスサノオくんを手にしながら、秋の京都観光はいかがでしょう。ふと迷い込んだ路地裏で、空に向かって話をする愛らしい少年に出会えるかもしれません。

(c)Robin Yasuo

(取材・文・撮影/吉村智樹)

★PASH UP!『スサノオくん』
https://pash-up.jp/content/00001292

★単行本『スサノオくん』1(主婦と生活社)
https://www.shufu.co.jp/bookmook/detail/9784391159097/

★単行本『スサノオくん』2(主婦と生活社)
https://www.shufu.co.jp/bookmook/detail/9784391160772/

《PROFILE》
ロビンやすお ◎本名:栗田安朗。1975年 大阪府高槻市生まれ。港南高校モダンクラフト科卒。京都精華大学ビジュアルデザイン学科卒。2005年 劇場用ストップモーションアニメ『緑玉紳士』でアニメーション作家デビュー(ロッテルダム映画祭・ニューヨークジャパンソサエティ100周年映画祭正式招待作品)。2008〜2015年 京都造形大学(現・京都芸術大学)キャラクターデザイン学科で准教授。2022年 主婦と生活社の漫画サイト「PASH UP!」で『スサノオくん』連載開始。現在、京都と滋賀の二拠点で活動。

ロビンやすおX(旧Twitter):https://twitter.com/maronda369