「昔から、会ったこともない女優さんと“付き合っている”ってウワサが勝手に流れるんです。その当時活躍している女優とは、だいたい付き合っていたことになってますね(笑)」
そう話すのは、35年以上の芸能活動歴を持つ俳優・タレントの山崎裕太さん。7年4か月にわたって出演していた人気バラエティ番組『あっぱれさんま大先生』(フジテレビ系)で活躍し、一躍有名に。2023年7月1日放送の特番『あっぱれさんま大先生2023同窓会スペシャル』(フジテレビ系)では、企画の発起人となり、今は芸能界を引退している仲間を含め、12人の生徒を集めて同窓会の開催を叶(かな)えました。
山崎さんが初めて主演を務めたのは小学生のとき。以降も映画やドラマ、舞台など多くの作品で評価され、バンドデビューも果たすなど、多方面で活躍してきた山崎さんの交友関係はとにかく広い。そんな交友関係を深掘りしながら、仕事とプライベートのバランスの取り方や、42歳を迎えた今の目標についてなど、時間の許す限りたっぷりと教えていただきました。
今、変わる? そう決意させてくれた親友・TAKUYA∞の存在
10代のときは、人の好き嫌いも激しかったと思います。自分の気に入った人や、波長が合う人しか受け入れられなかったというか。相手のいいところを見られるようになったり、自分のダメなところを認められるようになったりしたのは30歳を超えてからですかね、きっと。……遅いですね(笑)。そのきっかけを作ってくれたのは、UVERworldのTAKUYA∞です。
やっぱり、彼のバンドがすごくなればなるほど、いろんな人が寄ってくるじゃないですか。それこそ自分にもそういうときがあったなと。テレビに出れば出るほどいろんな人が寄ってきて、何かよくないことが起こると、蜘蛛(くも)の子を散らすようにパーッと去っていく。そういうのを嫌というほど経験してきたから、僕もTAKUYA∞の状態を注意深く見ていた時期があったんです。変なヤツが寄ってきたら「あいつはやめたほうがいい」とか言ったりしてね。でもTAKUYA∞は、「俺は自分でジャッジするんだ」と。
そこから僕は何も言わなくなったけど、TAKUYA∞に寄ってくる若い役者の男の子の中には、「裕太くん怖いっす」と言うような人もいて。昔のイメージが強かったんでしょう、「ちゃんと挨拶しろよ」とか言うタイプでしたから。そう思われてるならそれでいいと思っていた僕に、TAKUYA∞が言ってくれたのは、「俺はお前のいいところを知っていて、いざとなればそれを周囲に話せるけど、お前自身がそういう態度をとってしまったら、勘違いされる。お前は半径5メートル以内にいるヤツはみんな大事にしてくれるけど、そこから一歩でも外に出ると全員敵、みたいな見方をするから。俺はお前と一生友達でいるし、この先も離れないけど、お前が何も変わらないなら、今後自分が仲良くなった人にお前を紹介できない」ってこと。
そのとき、僕はお酒を飲んでいたのですが、「
具体的にどう変わるかはわからないけど、決意させてくれたのは間違いなくTAKUYA∞。そこからは、人の悪いところじゃなくていいところを見て、その場の空気が悪くならないようにするほうが楽だなって思えるようになったんです。
生きる覚悟を決めたら、謝ることも簡単になった
TAKUYA∞にそんな気づきをもらってからは、僕に対して悪い印象を持つ人は、すごく減ったんじゃないかな。10代〜20代のときは、普通に「お前のこと苦手だわ」とか言っちゃうタイプだったので。それを言うことで相手を不快にさせるとも思えなかった。まぁ、こうやって振り返ると、ひでーヤツだったなと思います。
若いときは横柄で、そんなつもりがなくても傷つけてしまった人もいたはず。例えば、テレビ番組で「やりたくねえ」って言ったりとか、取材中の態度が悪かったりとか。当時お世話になった人の中には、今でも僕のことを苦手だと言う人はいっぱいいるんだろうなと。でも、それは身から出たサビだと思うので、言い訳するつもりはありません。
あのころの自分はどうかしてたって、それだけじゃ済まないこともいっぱいあると思うんですよ。でも、生きる覚悟を決めた今だったら、迷惑をかけてしまった人たちに対して、ちゃんと反省して謝りたいです。昔は、頭を下げたくないって気持ちがどうしてもあったんですよね。なんでテレビに出てるだけで、周囲が勝手に持ってる俺のイメージと違っただけで、謝らなきゃいけねぇんだって。でも、不快にさせたのなら謝らなきゃいけないじゃないですか。
僕は人格者でもないし、いい子になろうとも思ってない。もちろん悪いヤツにもなりたくないけど(笑)。もう人を傷つけたくないという気持ちはあるので、そのために頭を下げるとか、ニコニコするとかは、今となっては簡単なことです。
「山崎裕太の芝居を見て、“すげぇ”って思わせたい」
3歳からこの世界で仕事をしているから、プライベートのオン・オフは特にないですね。仕事も今は楽しくやってるし、休みの日でも結局、YouTubeのショートムービーを撮ったり台本を書いたり、仕事みたいなことをしているから。最近はいろんなプラットフォームがあるので、ライブ配信をしてみたりとかね。もちろん、今日は誰にも会いたくない! って思う日もたまにありますよ。そんな日は、まるまる家で寝ることにしています。寝るのは大好きだけど、3時間しか寝なくても仕事はできる。水陸両用って感じです(笑)。
将来的なことは、細かく考えていません。来年の目標とかも、マネージャーや会社と一緒に作っていけばいいやって思っているので。その時代の流れに任せて、自分が臨機応変に動いていければいいんじゃないかなと。まぁ、80歳で死ぬと仮定してるんですけど、そこから逆算して、やりたいことをやるためには今は何が必要なのかって考えるくらいですね。
でも、ひとつ挙げるなら、ひとり芝居かな。それを武道館でやりたいと思っているんです。今まで、役者でやった人がいないから。センターステージにして、上にはどの角度からも見えるようにスクリーンを置いて、映像を流して。それを50歳までにやりたい。正直、あんまり言いたくないんですけどね(笑)。言ってからやっちゃうと、有言実行っぽいじゃないですか。これは無言実行でもいいと思ってるから。
この目標があるからSNSでライブ配信を頻繁にやってるという部分もあります。若い子とか、僕を知らない子にも知ってもらえるきっかけになればうれしいなと。バラエティの僕でも全然いいけど、やっぱり山崎裕太の芝居を見て、「すげぇ」って思わせたい。
またTAKUYA∞の名前を出してしまうけど、あいつは僕の芝居を好きだと言ってくれるんですよ。「お前がいちばんすごいわ」って、毎回。好き嫌いをはっきり言うTAKUYA∞が褒めてくれることがうれしいし、表現者として大きな会場を何度も埋めてきた彼に言われるからこそ、自信を持つことができる。そして何より、僕が芝居を好きだから。
求めてもらえるなら、なんでもいい。結婚願望は──?
これまで、自分から仕事を断ったことはないんです。どんな役でも。スケジュールが合わないとか、会社的な判断で断ったことはあるかもしれませんが(笑)。求めてくれる人がいるなら、主演でも、ワンシーンだけでも、なんでもいい。そこで表現できることが僕らの仕事だと思っているので。
プライベートでは、結婚……そうですね、いつかしたいとは思ってますよ。でも、出会いだけは自分で選択できるものじゃないですからね。僕の中で、事務所の後輩と、そのとき共演してる人と、ファンの子には絶対に手を出さないって決めているんです! だから周りはわりと全滅だし、もう、結婚してくれるんだったら誰でもいい(笑)。でも今は姪っ子が4人いるので、その子たちの相手で手いっぱい。僕、子どもと動物にめっちゃ好かれるんですよね。ゆうたおじちゃん、大変です(笑)。
(取材・文/高橋もも子、スタイリスト/上井大輔、メイク/要海奈々)
【PROFILE】
山崎裕太(やまざき・ゆうた) ◎俳優。1981年生まれ、AB型。3歳で芸能活動を始め、小学2年生から7年以上、『あっぱれさんま大先生』に出演し人気を誇る。劇団☆新感線の舞台『大江戸ロケット』でゴールデン・
『あっぱれさんま大先生2023同窓会スペシャル』
<放送日時>7月1日(土) 15時30分~17時 ※関東ローカル
<出演>明石家さんま/上野秀樹/歌代未央/内山信二/小嶋亜由美/中武佳奈子/鳴海晃司/福長康一/増川浩行/村岡綾佳/矢川菜穂美/山崎裕太/湯山絵梨(※五十音順) ナレーター:加藤 諒
◎山崎裕太公式YouTube「あれこれ言うた!!」→https://www.youtube.com/channel/UCrUHIz9QJEyTojiwHuH8wkA
◎山崎裕太公式Instagram→https://www.instagram.com/yuta.yamazaki0308_official/?igshid=YmMyMTA2M2Y%3D
◎山崎裕太公式Twitter→@YUTA_YAMAZAKI