「初めてのエッセイも始まったことですし、一度、くまモンと一緒にごあいさつに伺いたいと思っているんです」
熊本県くまモングループのご担当者からこんなメールをいただいたのは、11月半ばのこと。
「えっ、くまモンがわざわざ弊社まで来てくださるとな!? めちゃくちゃ嬉しいけれど、どどどどうやっておもてなししよう(ざわ・・・ざわ・・・)」
われわれフムニュー編集部がドギマギしながら思考を巡らせているあいだに、あれよあれよと話は進み、12月上旬、くまモンが東京・京橋にある主婦と生活社にお越しくださることが決定した。
滞在時間は、約30分。フムニュー編集部員との顔合わせのあと、来年1月に行われる「くまモンファン感謝祭2022 in TOKYO」の運営・取材について軽くミーティング。最後に、編集部のあるフロアに“サプライズ訪問”をしてくれる流れとなった。
そして、せっかくなので、これまでたくさんのことに挑戦し続けてきたくまモンに、編集部からひとつ提案を。弊社カメラマンと同じ一眼レフのカメラを使って、物撮りや人物撮影の体験を行ってもらうことに。
限られた時間のなかで、充実したひとときを過ごしてもらうことはできるのか? サプライズと“カメラマンチャレンジ”は成功するのか!? ドキドキの会社訪問の様子を、この日だけの秘蔵写真とともにお届けします♪
主婦と生活社にやってきたモン
「1階入り口横に、えっと……あの、くまモンさんがいらっしゃっています」
受付の警備員から、明らかに動揺した声で内線が入った。
さっそくお迎えにあがると、そこにはまぎれもなく、黒いフォルムに赤いほっぺの、可愛らしい“あの子”が!
「け、けっこう大きいな……私(157センチ)と同じくらい!? いや、ぜんぜんもっとあるか。ってか、本物や〜〜!! キュートすぎる!! ぺこりってしてくれた〜〜ヤバい!! 萌え!!」
と興奮している胸の内を悟られないようポーカーフェイスを装ったものの、明らかに口角があがってしまう編集部員Y。サプライズ訪問なので、社内外に見られないよう注意しながら、サッと2階の会議室へ。エレベーターに乗り込むとき、横幅がギリギリで、ウエストを両手でキュッと絞るくまモンがとてもいじらしかった。
会議室へ入り、さっそく名刺交換へ。
「fumufumu newsふぇんしゅうぶの、Yです。本日はよろしくお願いします」
緊張して噛んだ。恥ずかしい〜〜。しかしくまモンは、目線を合わせ、真っ直ぐこちらを見つめながら、うなずいてくれる。一気に肩の力が抜け、リラックスして会話を続けられるようになった。
順々に名刺交換をすませ、ファン感謝祭の打ち合わせへ。熊本県東京事務所の方々と、真剣なまなざしで相談するくまモン。パソコンを覗きながら、当日の段取りを確認。事務所の方から、
「見せ場のダンスステージ、準備は順調?」
と聞かれると、すかさず「ポンッ」と胸をたたき、「安心して。必ずすてきなステージにするモン☆」と言わんばかりの表情をのぞかせた。
熊本名物、おいしく撮るモン!
続いてお待ちかね、“カメラマンチャレンジ”第1弾へ♪ 撮影用の一眼レフを手渡そうとすると、くまモンが何やら、バッグをゴソゴソ……。なんと、カメラマン風のおしゃれな帽子を持ってきてくれていたのだ! さっそく装着してもらい、意気込みを聞いてみると……。
「バッチリだモン!」と決めポーズ。これは期待大!!
まずは、物撮りに挑戦してもらうことに。編集部が用意していたのは、くまモンも大好きな熊本県の名産物。馬刺しにからし蓮根、柑橘類やサツマイモに、いきなり団子も……じゅるり☆
落とさないよう、首ひもを三重にして手に巻きつけて、カメラを構えるくまモン。名産物を撮るかと思いきや、あれ、レンズがこちらに向いているけれど……!?
「パシャッ」
のわ! シャッターが押された! さっそく画面をチェックすると、
「……靴、ですね」(カメラマンY)「だね。私とあなたの」(編集Y)
記念すべき1枚目は、ちょーっと角度が下向きだったよう。でも、くまモン、ぜんぜん気にしていない様子。
「ボクの本気は、ここからだモン!」
とことこと名産物の前まで進み、三脚にカメラをセット。じっくり角度をチェックし、レンズを覗き込んで微調整。
大きくうなずき、指先をシャッターボタンへ。いざ、パシャリ!
……惜しい! ちょっと近かった! 馬刺しとからし蓮根が見切れ、いきなり団子がややボケに。今度は少しカメラを遠ざけて、再びパシャリ。
くうう! 今度は遠かった……。でも、諦めないくまモン。試行錯誤しながら、シャッターを押すこと十数回。ついに。
キター!! すごい、美しい!! くまモンもスタッフも大喜び。
「この写真、誌面にも使えますよ。プロ並みです。上達が早くてビックリ!」
と、カメラマンYも驚きを隠せない様子。
すっかり上機嫌のくまモン、自分を撮ろうとするカメラマンYをノリノリで逆撮影。これまた味のある1枚に!
盛り上がってきたところで、サプライズ訪問の時間が。カメラを片手に、フムニュー編集部のある7階へと移動するくまモン……と、その前に、エレベーター前で社長に遭遇! 明らかにテンションが爆上がりする社長。「これからもよろしくね」と握手をし、名残惜しく別れてわれわれは上層階へ。そして、このあと待ち受けるまさかの展開を、まだ誰も知るよしがなかった……。
サプライズ……じゃなくなったモン!?
この日、くまモンが来社してくれることは、フムニュー編集部員と部長、編集長以外には、基本的に秘密だった。フムニュー編集部があるフロアには、週刊女性編集部も在籍しており、コロナ禍のため出社人数は十数人ほど。みんなが黙々と仕事をしているところに突然、くまモンが現れ、音楽とともにダンスを披露し、各デスクをまわって部員たちを激励してくれる予定となっていた。
「みんな、驚いてくれるかな」「喜んでくれるといいね、くまモン」
不安と期待が入り混じった会話をしながらエレベーターを上がるご一行。ドアが開き、そろり、そろ〜りと編集部の扉の奥へ進もうとすると、そこには。
──なんか、めっっっちゃ人いる!!!!!
扉を開けるや否や、30〜40人を超える顔が、いっせいにこちらを向いた。編集Yがくまモンを迎えにいったときより、明らかに増量している。というか、『ar』や『JUNON』をはじめとして、7階メンバーでない顔ぶれも多数。全員総立ちで“くまモン迎え入れ体制”が整っており、くまモンがおずおずと足を踏み入れたとたん、「キャー!!!!!!」と鳴り響く黄色い歓声。もうなんか、超人気アーティストのライブで、待ちに待った本人が登場した瞬間のアレだ。続いて、間髪をいれずたかれまくるフラッシュ。一同、騒然だが、とにかく計画どおり突撃するしかないっ!
人々のアーチをくぐりぬけ、手を振るメンバーには全力で振り返すというファンサもバッチリこなしながら、真ん中にある広めのスペースにたどり着いたくまモン。
「可愛すぎる……(涙)」「初めて会えた〜感激しかない」「ハンパない、マジでハンパないんですけど!!」
鳴り止まぬ歓喜の声に被さるかのように、流れ出したBGM。きました! くまモンの十八番ソング『かモン!くまモン!』、踊っちゃうモン〜!!
かモン モンモモン 熊本〜(くまモン!)♪
おいしか楽しか気持ちよか(ほかっ)♪
いつも みんなで エイエイモーン!♪
ほんわかする歌詞と裏腹に、くまモンのダンスは終始、キレッキレ! 手を大きく振りあげ、すばやく回転、華麗なるステップ……その身のこなしに、全員くぎづけ!
「ピーヒャラ!」「パフパフ!」「カンカーン!」
どこから用意されたのか、ダンス終了とともに鳴り響く効果音。あたたかな拍手とともに編集部じゅうが熱気を帯びるなか、くまモンからメッセージが。
くまモン隊「今日はfumufumu newsさんの編集部へやってきました! このたび、くまモンにエッセイを書いてほしいというありがたいお話をいただきまして、くまモンが一生懸命、書かせてもらいました」
くまモン「たいぎゃ、がんばったモン!」(胸を張って大きくうなずく)
くまモン隊「ということで、今日はみなさんへのごあいさつと、ハッピー&サプライズをお届けするために東京までやってまいりました」
くまモン「編集部のみなさんにお会いできて、うれしかモン!」(両手をほっぺの下に持ってきて頭をフリフリ)
くまモン隊「短い時間ではありますが、くまモンと一緒に楽しい時間をすごしましょう」
くまモン「レッツゴー☆」(右手を高く上げながら)
この間、編集部に人が集まりまくったワケをひっそりと調査していた編集Y。どうやら、玄関でくまモンを見かけたとある部署のメンバーが、おったまげた様子で同僚に目撃情報を伝え、興奮した部員たちがそれぞれのネットワークで広めたところ、「くまモン来社!」のウワサがまたたくうちに全社を駆けめぐったという。照れながらもノリノリでファンサに応じてくれているくまモンを見ると、これも結果オーライ!?
あっという間の30分、堪能したモン!
さて、くまモンがまずあいさつに向かったのは、われらがfumufumu newsの編集長。フムニューへのエールを込めてガッツポーズをキメると、右手を差し出し、がっちりと握手を交わしてくれた。くまモンパワーで、フムニューが上り調子になってくれますように☆
ここからは、“カメラマンチャレンジ”第2弾へ! 再び帽子を被ると、シャキーン☆と気合いを入れ直してから、編集部を歩き始めたくまモン。いったい、誰を狙っているのか!? ちなみにこの間も、くまモンへの歓声はまったく鳴り止まない。「一生に一度でいいから、このくらいキャーキャー言われてみたいですね……」男性社員の心の声がポツリと漏れる。くまモン人気、恐るべし!
フムニュー編集部員Kの後方にまわり、カメラを構えてロックオンするくまモン。なにやら、彼女の画面に気になるモノが映っていたようだが……。
「ボクがいるモン!」
画面を見てはしゃぐくまモン、すかさずパシャリ。そう、編集Kはちょうど、くまモンのトリビア記事を編集中だったのだ。
「ありがとうだモン、編集よろしくま☆」
記念にパシャリ、ついでに、ギャラリーもパシャリ。そんなくまモンを、こちらもパシャリ。すっかりカメラにも慣れたようで、楽しい撮影タイムが続いた。
しかし、残された時間は刻一刻と迫っていた。最後に、自撮りにも挑戦してみよう! と、自撮り棒を手にとるくまモン。
「さあ、みんな、ボクの周りに集まってくまさい〜」
みんなでくまモンを取り囲んで、準備オッケー。渾身のラストショット、はたして結果は……!?
うん、すこ〜し角度調整が難しかったかな!? でも、口が隠れちゃったところも、逆に愛おしい。思い出に残る写真が撮れたモン☆
名残惜しく見送る編集部員たちに丁寧に手を振り、出口へと向かうくまモン。興奮覚めやらぬ私たち、最後はアーチを作って送り出しました!
あっという間の30分だったが、くまモンが運んでくれたハッピーとサプライズによって、誰もが笑顔に。それにしても、ダンサーもカメラマンも軽々とこなしてしまうくまモン、さすがすぎる!! そのポテンシャルの高さと、何事にも全力で取り組む姿に刺激をもらい、大感謝です。リスペクトと愛を込めて、京橋からお届けしました〜☆
(文/fumufumu news編集部)
【INFORMATION】
くまモン本人による渾身のエッセイも公開中♪ 最新記事:【くまモン通信#2】コロナ禍の中にも希望を! この1年半のボクの生活を振り返るモン