天気予報を見ていて、特に朝の出かける前とか、「低気圧が~」とかいいから早く今日の天気教えて。「では雲の動きを見て見ましょう」とかいいから早く今日の天気教えてって思うよね。フリが長いのよ。雨が降るのかどうかを早く知りたくてイライラしているつぶやきです。
僕らが子どものころに授業で習った気圧の単位ミリバールが、しれっとヘクトパスカルに変わって、慣れない単語を一生懸命覚えたのに全然使われなかったな、ってね。デシリットルもね。1リットルは10デシリットルって覚えたな~。なのに使われてないよね。500ミリリットルのペットボトルを「5デシリットルのペットボトル」って言わないでしょ?「ごでしりっとる」より「ごひゃくみりりっとる」って、わざわざ長いほうをみんな言ってるもんね、変なの。
梅雨の時期の東京人、“隠れ傘”タイプとずぶ濡れタイプを見かけるよね〜
いや~梅雨だね~。明けないね~。どうせ、いつの間にか誰がどう見ても明けたろってタイミングで梅雨明け宣言されるんだろうけどね。北海道は梅雨の時期ってないらしいね。梅雨前線が北海道に到着する前になくなっちゃうんだって。
1日中雨なら諦めもつくけど、1日の中で降ったりやんだり、そんな日が多くない? 自分が外出するとき、ちょうど雨が止んでると、すんごい得した気分だけどね。パン屋さんで、お気に入りのパンが「できたてで~す」って置かれたくらい。
東京に来てこの時期になるといつも思うんだけど、東京の人っていつの間にか傘持ってるよね。僕の勝手な持論なんだけど、朝から曇り空で今にも雨が降りそうなのに、外を歩いてる人は傘を持ってるそぶり全然ないの。でも雨が降ると全員傘さすの。どこに隠してたのって、謎なんだよね。僕なんて田舎もんだからビニール傘丸出し。背負ってるリュックの紐に掛けて、足に当たってなんか歩きずらいなってやってる。頑なに傘をささない東京人もいるけどね。もうすでに結構濡れているのに急がない。走れば! 雨降ってんだから。ポケットに手を突っ込んでタバコ吸いながら。雨降ってんだよ。傘ささない俺カッコいいと思ってるんだろうね。長~い赤信号にぶつかれ。
大雨の日。ビニール傘の“取り違い”で、とんでもない目にあったよね〜
傘で言うとね、前に飲み屋さんに行ったのね。その日は夜遅くから雨の予報だったから、入店するときは降ってなかったけど、当然傘を持参したの。そしたら入り口で傘を預かりますってアルバイトかな、女の子が言うわけ。僕の持ってたのはビニール傘だから、他の客とごっちゃになるのが嫌だったから、傘が濡れてるわけじゃないし、個室だから持ち込もうとしたら、それでも預かりますって言うわけ。じゃあって、信じて傘を預けました。
で、店を出るとき大雨。しかも店員さんから返された傘が僕のビニール傘と違うの。ほら見たことか! ビニール傘なんてどれでも一緒だろって人には女々しい人間に思われるかもしれないけど言わせて。まず誰だかわからない人の傘、気持ち悪い。同じところを握るわけで気持ち悪い。あと僕のビニール傘は新しかったの、渡されたのはちょっと汚かった。先っちょって言うの? てっぺんが錆びててって言えばわかるかな。それと僕のは70センチのいいやつというか大きいビニール傘なのに、渡されたのは、よくあるいちばん小さいビニール傘。これ僕のじゃないですって言って戻しても一向に僕の傘は出てこない。このビニール傘しかなんですけど~だって。
怒るでしょ! そっちが勝手に預かって管理しといて。大雨だよ、小さい傘になってるし。そのバイトらしき女の子はもう帰っていないらしい。待たされた結果、60センチの黒い傘を渡された。違うんだよな~。もうこれで勘弁してくださいよって感じ。別に店の中で怒鳴ったりなんてしてないけど、諦めなかったことがクレーマーみたいだったんだろうな。店側は違う客に僕の傘を間違って渡したからここにないってことを認めず、それに対して謝りもしなかった。泣き寝入りしました。黒いから視界が遮られるし、大雨なのに10センチも小さい傘だし。何で自分が持ってきた傘よりグレード落ちてんだよ。ただ、自分が持ってきた傘を返してほしいだけなのに。自分の心が狭いのかな~って今でも考えます。
小学生のころ、背中とランドセルの間に傘をさして手ぶらで得意気に登校してたっけな。傘の前ギリギリだし歩いて前に進むもんだから結構濡れるんだよね。それに、傘の芯に髪の毛が挟まって痛いのなんの。長靴もブカブカするし、靴底が硬いから長時間歩くと疲れるんだよね。あのね、僕ね、イルカのショー見に行ったことないし、イルカ自体触ったことないけど、よくテレビとかでイルカを触っている映像とか見るじゃない? 僕の勝手な妄想なんだけど、イルカと長靴の感触って一緒だよね? 指でさすったら両方「キュッキュッ」だよね? 長靴を履いてるってことはイルカを履いてるってことだよね? 冒頭はそのイラストです。城みちるさんの「イルカにのった少年」って、こういうことでしょ?
(文・絵/つぶやきシロー)
【PROFILE】
つぶやきシロー ◎1971年3月10日、栃木県生まれ。お笑いタレントや俳優として活動するかたわら、2011年からは小説も執筆。2021年には、著書『私はいったい、何と闘っているのか』(小学館刊)が安田顕主演で映画化された。2022年4月、新著『こんな人いるよねぇ~──本を読んでつぶやいた』(自由国民社刊)を上梓。また、2009年から公式Twitterでほぼ毎日「あるあるネタ」をつぶやき続けて大人気に。フォロワー数は99万5000人を超える。(2023年6月現在)
公式Twitter→@shiro_tsubuyaki