4月13日(木)から、カンテレローカルドラマ枠「EDGE」で、近藤頌利(しょうり)×ゆうたろう出演の『全ラ飯』(毎週木曜深夜0時25分~0時55分 ※初回は深夜0時40分~1時10分)の放送がスタートする。舞台を中心に活躍していた近藤がドラマ初出演にして初主演を飾ることでも話題に。
全“ラ”飯とは、自分に正直に(=裸)、恋も(=Love)、人生も(=Life)、 生きること。近藤演じる金融庁に勤務するエリートサラリーマン・一条颯太には、夜、自宅マンションでひとり、すべてを脱ぎ捨て生まれたままの姿でご飯を食べるという「秘密の癖」があった──?
ところがある日、この秘密の癖をゆうたろう扮する三木真尋に目撃されてしまう。そこから不器用で素直になれないふたりの“ムズきゅん”なやり取りがスタート。青果店を営む真尋は、颯太に料理の手ほどきをするようになり……。毎回、さまざまな海外のスパイスを使った世界の珍しい料理が登場することも見どころだ。
同ドラマに出演するふたりにドラマの魅力を語ってもらいつつ、“もしふたりがシェアハウスで暮らしたら?”という妄想トークを繰り広げてもらった。
仲良しコンビ、現場ではゆうたろうが近藤をイジる場面も
──まず、同作のオファーが来たときの感想からお願いします。
近藤 『全ラ飯』のタイトルだけ聞いたときは衝撃を受けました(笑)。でもそれも最初だけで、スタッフさんから「もちろん全裸でご飯を食べます」と言われても「僕の裸でよかったらいくらでも脱ぎます」って感じで(笑)。
ゆうたろう 僕は裸に抵抗があったから、まず自分が脱ぐか脱がないかの確認だけはしました。結果、脱がないってことなので「ぜひ、やらせてください」と。でもそのときは相手が頌利くんと知らなかったので、ビックリしましたね。お芝居での共演は初めてなんですけど。
──ゆうたろうさんが出演するYouTube『ぼくたちのあそびば』に近藤さんがゲストで来たことがありましたよね。
ゆうたろう そうなんですよ。でも改めて役を通してコミュニケーションを取るとどんな感じになるんだろう、どんなお芝居をしてくれるんだろうって、頌利くんへの興味がすごい湧きましたね。自分の役以上に頌利くんへの興味が大きかった(笑)。
近藤 そうなんだ(笑)。でも実際、台本を読んだときと演じているときとでは違ってくるんですよね。動いていると、想像もしなかったゆうたろうの表情を目の当たりにするんで。普段は絶対そんな顔、僕にしてきませんから。それはすごく楽しかったですね。
ゆうたろう 頌利くんと演じる颯太って違う不器用さがあるのかなと思って。颯太を真尋がどんどん柔らかく包み込んでいくことで物語が進むんですけど、そこで見せる颯太の不器用さと、現場での頌利くんと。例えば監督さんたちが現場で「GS」(グループショット。引きの絵で登場人物全員をカメラで捉えること)とか言うんですけど、僕が「GSって何の略だと思いますか?」って頌利くんに聞いたら「ジェスチャースローモーション」って(笑)。
近藤 (苦笑)
ゆうたろう そういう頌利くんを僕は見たことがなかったので、「あ、これはイジれるな」と。
近藤 映像の現場では、舞台ではあまり耳にしない用語が飛び交うんですよ。
ゆうたろう わかります。僕も初めてのときはわからなかったから。でもそういうことで笑い合えるようなところは、颯太とは違う可愛さというか、人間味を感じましたね。すごいギャップでした。
衝撃の“全裸飯”目撃シーン、その裏側は?
──第1話で、ひょんなことから颯太が全裸でご飯を食べているのを真尋が目撃します。あのシーンの裏側は?
ゆうたろう 2回目ぐらいの撮影日でしたよね。初日後の。
近藤 そうそう。その初日でもう僕は脱ぎまくったんですよ。だからスタッフのみなさんは何の違和感もなくなっていたと思います。でも、その日、ゆうたろうだけ初めてだったんですよ。
ゆうたろう そうそう。
近藤 だから僕も緊張して。そもそも周囲がみんな服を着ている中、僕だけ裸なんですよ。銭湯みたいにみんなが裸なわけがなく。そのある種、異常な状況で、「あ、僕にも恥ずかしい気持ちがあるんだ」って思いました。
ゆうたろう 僕、それがあまりにも面白くて写真撮ったんですよ。ちょうど柱で、大事な部分は隠れているんですけど。だって、スタッフさんが無心で働いているところでひとり、裸で作業を待っているんですよ(笑)。
近藤 そう、裸で待たなきゃいけないんですよ。恥ずかしかった……。
ゆうたろう 真尋もそこで初めて裸を目撃して、実際に僕も初めて目の当たりにしたわけで。その意味では、それを見た真尋の表情はすごくいいものに仕上がっていると思います。やっぱりファーストリアクションって大事ですよね。
──それは楽しみです!
ゆうたろう 1話1話それぞれ山場があります。初回に関しては、その全裸シーンからスタートして、そこに至るまでの物語を見せるっていうすごく面白い作りになっていると思いますので。
近藤 ぜひ、第1話から観てほしいですね。
「もし二人が一緒に暮らしたら?」
──では、ここからは「もしおふたりが同棲したら」というifトークをしていただきます。
ゆうたろう なんだ、それ!?
近藤 うわー。来たよ(笑)。
──もしおふたりが一緒に住んだとしたら、家事分担はどうしますか?
近藤 うーん。俺、本当正直に言ったら、何も家事したくない(笑)。したくないけど、強いて言うなら、飯を作るかな。自分のために飯を作ると見栄えとか気にしないけど、やっぱり人に振る舞うとなると気にするし、味も気になる。
ゆうたろう あー。料理、いいですね。僕はひとり暮らしだからひと通りやってますけど、なんですかね、洗濯が好きなんですよ。
近藤 俺、洗濯がいちばん嫌い(笑)。
ゆうたろう あ、じゃあ合ってる。僕は料理はしたくないんで。帰って料理作ってくれてたら、それだけで他は何でもしますってぐらい。僕も頌利くんと同じで、自分のために作るのは嫌なんですよ。だったらふたりで一緒に作って食べようみたいな。でも、洗濯は大好き。柔軟剤をどれにしようとか、気分によって変えたり。
近藤 あ、俺も柔軟剤は好き! 洗濯が終わると洗濯機に近づくにつれ柔軟剤の匂いが香ってくるじゃないですか、あれいいよね。
ゆうたろう そうそうそうそう! コインランドリーの匂いとか。
近藤 僕、柔軟剤はブレンドするんですよ。
ゆうたろう ありますよね、自分だけの好みの匂いみたいな。
近藤 分量とかも別に決めないから、そのたびにまた違った匂いを味わえるのはすごいいいよね。あと、それに加えて洗濯ビーズも入れる。
ゆうたろう じゃあ匂い強めですね。僕もそういうちょっと自分が楽しくできるポイントを探すと、家事も楽しくできるなと思っていて。天気がいいからカーテンを全開けにして3時間だけ掃除して、終わったら自分の好きな時間を過ごそう、とかね。映画を観に行ったり。そういうちょっとしたゲーム性を設けると家事も楽しい。
──ちなみに、近藤さんがゆうたろうさんに料理を振る舞うとしたら、どんな料理ですか?
近藤 それは、男飯ですよ!
ゆうたろう チャーハンがすごい得意だって言ってましたよね。振る舞いたいって最近も言ってたし。
近藤 ただ僕のチャーハンは、洗濯と同じく、味付けとか毎回違っちゃうので、そのときしか味わえないチャーハンになります。でも自信ありますね。あとパスタ料理。
ゆうたろう 役柄とは逆ですよね。役だと僕が作る側なんですけど、実際はきっと頌利くんのほうがうまいんですよ。だからふたりで住んだら、教えてもらいながら一緒にやったりしたら楽しいかもしれません。
──では次に。朝はどっちが強い? どっちが「おはよう」って起こす?
近藤 俺は寝坊っていうのは普段ないけど、時間が守れるのは仕事のあるときだけかもしれない。休みだとアラームに気づかなくて30分たっていたりします。
ゆうたろう あー、ドキッとするやつだ。
近藤 基本は家を出る1時間前に起きるかな。
ゆうたろう 僕は本当、20分前とかギリギリかも。それから10分で支度して出かけて……。あ、でもちゃんと朝ご飯も食べるタイプです。
──じゃあ、ゆうたろうさんが起きてキッチンに来たら、近藤さんが朝ご飯を作っていて「おはよう」って。
ゆうたろう あ、それはもう本当にうれしい!
近藤 朝ご飯までは難しいかなあ。でも焼き物ぐらい。ウインナーとか卵とか。
ゆうたろう 十分です!
──じゃあ夜。お風呂はどっちが先に入る?
近藤 僕は一番風呂が好きです!
ゆうたろう ああ、僕はそこ全然こだわりないです。全然、先に入ってもらって大丈夫です。
今後、どんな関係性を築いていきたい?
──息ピッタリですね! では最後に。おふたりが今後、どんな関係性を築いていきたいか教えてください。
近藤 そうですね……。この作品が終わったら役として会うのは終わりますけど、また次の現場で会ったら、ちょっと恥ずかしいかもしれません。
──裸も見られてるし?
近藤 いやそこじゃなくて、結構現場でずっとともにいて関係性も近い役だったので、もしゆうたろうが今後、女の子とラブシーンをするとなると、ひとりの友達としては見られないかも。何か違う目線が入るかもしれない。やっぱりこのドラマではそれほど近い関係だし、ラブコメなんで、ちょっとした“何か”が残るかもですね。恥ずかしいけど。
ゆうたろう 結局このふたりの物語で、2話以降に周りの方々がかかわってきていろいろ新しい展開が生まれてくるんです。そんな中で頌利くんのいいなって思うところは、お互いちゃんとパーソナルスペースがあって、ふたりだけでいる時間も大事にするし、他の方々がいてもふたりの空気感を保ってくれるところ。これ以上でもこれ以下でもないっていう“ちょうどいい関係”を作ってくれているその空気感は、画面からも伝わるんじゃないかな。物語ではふたりの精神状態によって離れたり近づいたりが繰り返されるんですけど、僕たちがちょうどいい関係だからこそ、どっちにも行き来できる。そんなふうに築かれた関係は多分、1~2か月離れたところで変わることはないと思うんです。この前もイベントのゲストに来てもらったんですけど、変わらずでしたので、すごいホッとしました。でも出会ってからは1年もたってないですよね。
近藤 うん。昨年の6月末が初めましてかな。
ゆうたろう そんな1年未満の関係ですが、その前からどこかでつながっていたんじゃないかぐらいの感覚でいられる。それぐらい濃い1か月半の撮影時間を過ごしましたので、それを映像で楽しんでもらいたいし、そういう安心感と信頼感が頌利くんにはあるので、このままのふたりでいたいな、と思います。
【取材・文/衣輪晋一(メディア研究家)】
〈PROFILE〉
●近藤頌利
1994年4月12日生まれ。大阪府出身。関西を拠点に活動する、ワタナベエンターテインメントの演劇集団「劇団Patch」の一員として、2014年より活動をスタート。2016年、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」で注目を集め、以降も舞台「サザエさん」(演出:田村孝裕)、舞台「アルキメデスの大戦」(演出:日澤雄介)、ミュージカル「チェーザレ 破壊の創造者」(演出:小山ゆうな)など多数作品に出演。本作がドラマ初出演にして初主演。高校時代はバレーボール部で、184cmの長身を生かして大阪府大会でベスト4に入るなど活躍した経歴も持つ。
●ゆうたろう
1998年6月3日生まれ。広島県出身。2016年に古着ショップ店員から“可愛すぎる美少年”モデルとして芸能界デビュー。2018年『3D彼女 リアルガール』で映画初出演を果たし、以降、ドラマ『シャーロック』(フジテレビ系)、 『来世ではちゃんとします』(テレビ東京系) 、『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(テレビ東京系)、映画『かぐや様は告らせたい』など、数々の話題作に出演。今後も出演作が多数控えている。