2023年5月2日から、少年隊・植草克秀のソロ・コンサート『KATSUHIDE UEKUSA 2023 MOVING ON~Second Season~』が東京・日本橋三井ホール、名古屋・DIAMOND HALL、大阪・なんばHatchにて開催される(全9公演)。
そして、このステージに、ジャニーズ時代の後輩だった元・光GENJIの佐藤寛之と山本淳一がゲストとして出演することとなった。すでに3人が関係するSNSにて、今回のリハーサルにまつわる投稿や生配信が行われていることを考えると、どうやら“1曲だけ軽く歌って”というレベルの出演ではないことが容易に想像できる。
そこで佐藤寛之と山本淳一に、この公演に向けた意気込みや、光GENJI時代のエピソード、楽曲に対する思いなどを3回に分けて詳しく語ってもらうことに! インタビュー第1弾では、ふたりの関係性やゲスト出演が決まるまでの経緯を中心に明かしてもらった。
佐藤寛之×山本淳一ペアはジャニーズJr.時代から仲良し
まずは改めて、’23年現在のふたりの肩書きから尋ねてみた。
佐藤寛之(以下、「佐」)「僕は、音楽メインの“アーティスト”ですね。全部が自作というシンガーソングライターというわけではありません」
山本淳一(以下、「山」)「僕の場合は、ライブもやりますが、バラエティー番組にも出るので、“マルチタレント”ですかね。今はもう、プロレスラーではありません(笑)」
そういえば山本は’16年ごろ、突如としてプロレス・デビューを果たしていた。
山「ジャニーズ事務所に入りたてのころに、ジャニー(喜多川)さんに指示されて、新日本プロレスに通っては山本小鉄さんのご指導のもと、スクワットや腹筋をしていたんですよ。プロレス自体は小学生のときから好きだったし、選手の方たちが光GENJIのデビュー曲『STAR LIGHT』を入場曲に使ってくださったこともあったので、一度やってみようと思ったんです」
彼らが所属した光GENJIは、グループ全体で最大6学年の差があったのだが、佐藤と山本は1学年違いで、はたから見ても当時から良好な関係性に思えた。実際にはどうだったのだろうか。
山「ジャニーズJr.のころから仲良くしてもらっています。入所時期的にもヒロくんのほうが大先輩ですが、気づいたら同じグループでデビューすることになっていました」
佐「全国ツアーや海外ロケでホテルに泊まるときも、僕たちふたりがツインになることが多かったですね」
イメージカラーはジャニーさんとメリーさんからのご指名で決定
グループ時代のイメージカラー(佐藤=水色、山本=赤色)についても尋ねてみた。
山「僕の場合は、衣装合わせのときにメリー(喜多川)さんが、“この子、赤が似合うわね~。じゃあ、イメージカラーは赤!”とおっしゃったことで決まりました。小さいころからセーターやシャツでも赤色を選んでいたので、うれしかったです」
佐「僕のほうは、ジャニーさんが決めてくれました。光GENJIは7人で“虹”をイメージしていたので、その中で静かなイメージだったんでしょうね。今、植草(克秀)さんとリハーサルをしているのですが、少年隊は、植草さん=黄色、錦織(一清)さん=赤、東山(紀之)さん=黒、という並びに対し、今回のステージは植草さん=黄色、山本くん=赤なので、“隣に水色が来るのは違和感があるな~(笑)”って植草さんから言われています」
山「でも、ヒロくんは静かなイメージを持たれがちですが、実は芯がしっかりしていて、ちゃんと自分の意見を言ってくれるので、とても好きだし尊敬しています。僕はつい、周りに合わせて動いちゃうほうなので」
確かに’94年、光GENJIを最初に脱退したのは大沢樹生と佐藤寛之だったし、解散後も30年近く、バラエティー番組などに登場することもなく、自分が決めた音楽の道にまい進している。
佐「ずっとライブ活動をしていると、他のことが面倒くさくなってくるんです(笑)。今ならばインタビューなどで、当時グループで頑張ってきたことを純粋に聞いていただける機会も多いのですが、解散から数年間は、“あの人は今?”的なオファーが多くて、尋ねられるのも同じことばかりなので、取材などは断ってきましたね」
2011年には諸星和己とともに復興支援チャリティーに参加
そんな好対照ながら仲のよいふたりは’11年、同じく元・光GENJIの諸星和己とともに、TUBEが発案した東日本大震災復興支援チャリティー企画『RESTART JAPAN with TUBE』に参加している。
山「これはまず、ボーカルの前田亘輝さんから、“諸星くんを誘ってくれない?”って電話がかかってきて、彼に声をかけました」
佐「それで、諸星くんから僕に連絡がありました。解散後もお互いのライブに行ったり、一緒に歌ったりしていた仲なので。諸星くんとは、デビュー前から一緒にレッスンをする期間があって、身近な存在でした」
山「でも、僕が一緒にオーディションを受けたころの彼は、野球少年で髪もかなり短かったよね」
佐「その印象とのギャップが強すぎて、一緒のグループになってからは、あまりしゃべらなかったかも(苦笑)。だけど解散後、お互いに年齢を重ねて、苦労話をしているうちに、わかり合える部分も増えました。ふたりとも音楽活動がメインですからね」
植草克秀との共演のきっかけは? 先輩の横で踊れるのは“胸熱”
そして今回は前述のとおり、佐藤と山本のふたりが、植草克秀のコンサートにゲスト出演することに! ’80年代末に、さまざまな音楽番組で共演することも多かった大人気グループ2組のメンバーが共演するきっかけは、何だったのだろうか。
佐「植草さんと共通するヘアメイクさんから、“一度、植草さんのコンサートを観に行きませんか?”ってお誘いがあったんです。僕はジャニーズを離れてから、事務所の方とは一切、交流がなかったので不安もあったのですが、実際に(’22年に開催された植草の全国コンサート・ツアーに)行ってみたら、あのころのノリで温かく迎えてくれました。
植草さんに、(冗談で)“名前を教えて”って言われて、“佐藤です”って答えると、“ああ、(同じく元・光GENJIの佐藤)アツヒロな!(笑)”、“いや、寛之のほうです”ってやり取りがあって。それで、“始まってからも名前を覚えていたら、ステージで紹介するよ(笑)”って言われて、本編ラストの曲『PGF』がかかったときに、名前を呼ばれてステージに上げてくださったんです。それがちょうどスポーツ紙にも掲載されて、うれしかったですね」
そして、ここからトントン拍子に話が進み始める。
佐「ありがたいことに、スタッフの方が“次のステージにも出てみれば?”とお声がけしてくださいました。でも、すごくエンターテインメント感のあるステージだし、自分ひとりでやるライブとも明確に棲(す)み分けをしたいと思って、山本くんを誘ってみたんです」
山「電話をもらっていなければ、今回のステージもありませんでした。ヒロくんには本当に感謝しています!」
佐「きっと、そのままプロレスラーになっていたよね(笑)」
山「(笑)。ヒロくんも、“エンターテインメントをもっと勉強したほうがいいよ! 先輩たちも頑張っているんだから、まずは一緒に観に行って刺激を受けようよ!”って言ってくれて。’22年末のショーにお邪魔したら、植草さんは今でも本当にキラキラしていて、たくさんのパワーをいただき、“自分も出たい!”と思いました」
今回のライブは、昨年のツアーと同様、50代半ばとなった植草が年齢を言い訳にせず、何曲もノンストップで歌い踊るという圧巻の構成となっている。
山「やっぱり自分が長年憧れていた先輩の横で踊れるのは、まさに“胸熱”ですよ。テレビで観ていたり、ジュニアのころはバックで踊っていたりした方に並ばせていただくわけですから。ドキドキもワクワクも半端ない感じが、ステージで出せればと思います!」
佐「激しいダンスも多いのですが、必死すぎない感じで年相応に頑張ろうと思います。少年隊の曲をご本人と一緒に歌うというのは初めてのことで、楽しみです!」
ちなみに、佐藤に最初の誘いがあったころ、山本は一切の芸能活動を休止していたし、もしその誘いを断っていたら、今回の共演も実現しなかったわけだから、“迷ったときは、とりあえず動いてみる”ということの大切さをふたりの行動が教えてくれる。また、植草の応対からは、長年交流がなくても温かく後輩を迎え入れて、道を作ってあげるという懐の深さを学ばされる。
次回は、公演に向けてのふたりの苦悩や、永遠の憧れでもある少年隊への熱い思い、ジャニーズ時代の秘話などを語ってもらう。
(取材・文/人と音楽をつなげたい音楽マーケッター・臼井孝)
【INFORMATION】
KATSUHIDE UEKUSA 2023 MOVING ON〜Second Season〜
■東京 日本橋三井ホール:完売御礼!
・5月2日(火)18:00~
・5月3日(水祝)14:00~
・5月3日(水祝)18:00~
・5月4日(木祝)14:00~ ※一般発売なし
■名古屋 DIAMOND HALL(ダイヤモンドホール)
・5月18日(木)14:00~
・5月18日(木)18:00~
・5月19日(金)14:00~ ※一般発売なし
■大阪 なんばHatch
・5月29日(月)18:00~
・5月30日(火)18:00~
※公演詳細やチケット情報は特設サイトにて→https://www.curtaincall.tokyo/katsuhideuekusa/
◎佐藤寛之公式HP→http://www.satohhiroyuki.com/
◎佐藤寛之公式Twitter→https://twitter.com/hiroyukisatoh_
◎山本淳一公式HP→yamajun.jp
◎山本淳一公式Twitter→https://twitter.com/Jun1Yamamoto