仕事が大好きで、やりがいを持って会社で働いていたものの、結婚や妊娠をきっかけに退職、あるいは育児休暇。子育てがひと段落して、仕事に戻ろうとしたものの、元の職場への復帰が叶わず、「それなら、いっそ、ひとりビジネスで起業しようかしら」と、そんなことを思う女性が増えているそうです。
もちろんそこには、ネットワーク社会の定着によって、ほとんど元手なしでも事業を始められるようになった、という社会的な背景があります。
しかし、いざ自分で起業しようとすると、「何をやったらいいかがわからない」「どうやってパートナーの理解を得たらよいか悩んでしまう」という方が多いとのこと。
そんな「いつかは起業したい」と考えている、悩める女性起業家のタマゴたちを支援する事業を展開しているのが、(株)はっぴーぷらねっと代表取締役社長・一般社団法人ライフミッションコーチ協会代表理事の叶理恵(かのう・りえ)さんです。
女性起業家を育成する企業塾を主宰し、女性起業家のタマゴたちを応援する著書も出版されています。
今回は、叶さんが唱える、「収入ゼロから成功する女性起業家の共通点」について。女性はもちろん、副業をもくろむ男性にとっても、役立つ内容です。
成功のキーワードは「レジリエンス」
「収入ゼロから高収入になる人たちの共通点」について、叶さんはズバリ、こう言っています。
「レジリエンスが高い人」
さて、このレジリエンスとは、いったい何でしょう?
日本語では「精神的回復力」とか「自然治癒力」などと呼ばれています。
失敗や逆境など、ストレスにさらされても適応し、自分のヴィジョンを達成するために「再起する能力」のこと。
つまり、「レジリエンスが高い人」とは、ひと言で言えば、「立ち直りが早い人」です。
起業なんて、スタート時点では挫折の連続で当たり前。
打たれ弱い人は、この時点で諦めてしまいます。しかし、ストレスに強く、立ち直りが早い人は、この「軌道に乗る前の試練の時期」を乗り越えることができる。だから、成功率が高い……というわけです。
これまで、3500人を超える「起業を目指す女性」をご覧になってきた叶さんが言うのですから説得力があります。
「心のサポーター」を持つことが大事
さらに叶さんは、この「レジリエンス」を高める方法について、こう言及しています。
「パートナーに『心のサポーター』になってもらうと、(起業した)ビジネスがうまくいきやすくなります」
具体的にはどうすればよいのかというと、まず、「こんな内容で起業したい」「なぜ、その夢を叶えたいのか」というヴィジョン(夢)やその理由を、パートナーに、真摯(しんし)に打ち明けて理解してもらう。そして、「協力者」になってもらうのです。
協力者といっても、事業を手伝ってもらうとか、資金を出してもらうというわけでありません。
応援者第1号として、自分がへこんだときに、弱音のひとつでも聞いてくれる存在になってもらう、ということです。
この「落ち込んだときに、弱音を聞いてくれる人」=「心のサポーター」がいることが、自分の支えとなり、レジリエンスを高めてくれるというのです。
叶さんは女性起業家を応援しているので、叶さんが言う「パートナー」は、一般的には旦那さん、ということになります。
しかし、これは、男性にも言えること。
会社からリストラされたり、あるいは、早期リタイヤして夢だったお店を持とうと考えたり、それこそ、自分で新しい会社を興(おこ)したいと考えたりしたとき。あるいは、本業のほかに、本格的に副業を始めようと思ったとき。
男性だってパートナーにヴィジョンを語って、応援者第1号になってもらったほうが、心おきなく夢を追いかけることができるはず。
奥さんが、自分の思いを理解者して応援してくれていれば、「レジリエンス」を高めることにもなり、新しいビジネスがうまくいく確率も上がるでしょう。
いつかは起業したいと考えている方は、自分の「立ち直りの早さ」を確認してみてください。
そして、「打たれ弱いかも……」と思ったら、まず、パートナーに「心のサポーター」になってもらう。さらに、できればパートナーのほかにも、数人でよいので「心のサポーター」になってくれる人を作ることをお勧めします。
(文/西沢泰生)
【参考:『夢と現実に橋をかける人柄ビジネス』叶理恵著/BABジャパン刊】