スリムなデニムを爽やかに着こなしてほほえんでいるのは、タレントの中島史恵さん(54)。「健康と美」をテーマとするタレントグループ『シェイプUPガールズ』として活動していたのを、覚えている人も多いのでは?
2000年にグループとしての活動を休止してからは、ソロとして活躍。39歳で一度グラビアを引退しましたが、49歳にして復帰し、現在も年1回のペースで写真集やDVDをリリースしています。
昔と変わらぬプロポーションで、50代のグラビアアイドルとして活躍中の中島さんに、デビューのきっかけとなった出来事や、グループ時代の思い出、人生を変えたヨガとの出会いなどを語っていただきました。
素人から26歳で芸能界デビュー、レオタードの衣装には「抵抗がなかった」
──芸能活動を始めたきかっけは何でしたか?
「きっかけはスカウトだったんです。当時、渋谷のスポーツジムでエアロビクス(以下、エアロビ)のインストラクターをしていて、『SHIBUYA109』のあたりを歩いていたら、事務所(オスカープロモーション)の方から声をかけられて。ちょうどオスカーが、『C.C.ガールズ』(’90年代に活躍した女性ユニット)の妹分にあたるグループを作ろうとしていたんです。今度のグループのコンセプトは“美と健康”。ちょうどジムに行こうとしていて、服装がカジュアルだったのがよかったみたい(笑)」
──路上でいきなりスカウトされて、不安などはなかったですか。
「向こうのひと言目が、“何か運動されているんですか?”だったんですよ。だから、あまり怪しく思わなくて。芸能界にはやっぱり憧れがあったというか、もう、スカウトされたこと自体がうれしかったんです。それまでは芸能活動もしたことがなかったし、長野に住む両親からは、すごく反対されましたね。でも2人の兄が、“せっかくのチャンスなのだから、やらせてあげたら”って親を説得してくれました」
──デビューまではトントン拍子で進んだのですか。
「ありがたいことに、スムーズにデビューまで決まりましたが、芸能活動を始めた’94年のとき、私は26歳。周りのアイドルグループと比べると、わりと遅いデビューでした。しかも、メンバーの中にはすでにモデル活動などをしていた子もいたので、私みたいなまったくの素人は珍しかったと思いますね(笑)。何もわからない状態でスタートしたので、最初はグループでよかったです」
──当時としてはハイレグの衣装など、露出が高めのものもありましたが、抵抗はありませんでしたか?
「私はエアロビのインストラクターをしていたので、レオタードの衣装には抵抗がありませんでした。ただ、ほかのメンバーは、ファッション誌のモデルでおしゃれな服を着ることも多かったから、抵抗が大きかったみたいですね。あるとき、赤色と青色のスポーツブラを着ることになって、メンバーが“マリオみたいでイヤだな~”と言っていたのを覚えています(笑)」
全員でフルマラソンを完走!「側転でゴールする余力を残していました(笑)」
──グループ内での立ち位置は、どのように決められていたのですか。
「真弓ちゃん(梶原真弓)はファッション誌『CanCam』のモデルで、テレビドラマにも出ていたので、センターみたいな感じでしたね。そこに恵理ちゃん(今井恵理)が加わって、私と真美ちゃん(三瀬真美子)が両脇を固めました。立ち位置は事務所の代表が決めていたんですよ。最初はみんな髪が長かったけれど、一緒だと区別がつかないからと言われ、コンセプトに合わせて私がショートカットにしました」
──グループ内で中島さんは、はつらつとした印象だったのを覚えています! グループ活動の場合は、団体行動ならではのルールなども存在し、気を遣う部分が多かったのではないですか。
「実は、グループ活動自体は5、6年と短いんですよ。今振り返ると、変に気疲れすることもなく、楽しかったですね。みんなでハイエースに乗って、おしゃべりしながら仕事場まで移動したりして、学校みたいな感じでした。そういえば、印象深い思い出があって、『西暦2000年シドニーオリンピックプレイベント』として行われた『第1回シドニーマラソン』(’94年)にメンバー全員で出場して、フルマラソンを走ったんですよ!」
──フルマラソンは、素人ではとても完走できないような長距離ですよね!?
「そうなんです。デビューが6月で、マラソンが8月。“デビュー早々、メンバーに迷惑をかけるわけにはいかないし、絶対に完走しなければ”と思って頑張りました。社長も応援にきてくれて、全員が4時間以内で完走できましたね。そこからグループとしての結束力も高まったと思います」
──初挑戦で4時間以内とは、すばらしい記録ですね。
「でも私は“側転でゴールをする”と決めていたので、その余力も残していました(笑)! その後、真弓ちゃんはアトランタオリンピック(’96年)の聖火ランナーに選ばれたんです。そのときはメンバーとして伴走したのですが、地元で行われた長野オリンピック(’98年)では、恵理ちゃん、真美ちゃん、私が聖火ランナーをさせていただきました。それと長野では、スキーの伴走でも滑っているんです。
振り返ると、運動が好きなことが芸能活動に生かされていて、本当にありがたいですね。学生時代からバスケットボール、エアロビ、スキーなど、いろいろやってきましたが、シェイプUPガールズとしてデビューできたのも、その先のお仕事につながったのも、運動を続けてきたおかげかなと思います」
──今でもメンバーとの交流はあるのですか?
「はい。海外にいるメンバーもいるので、なかなか4人全員で集まるというのは難しいのですが、仕事などで一緒になると、やっぱりうれしいですね!」
食事・運動・睡眠を何より大切に。ヨガとの出会いで「新しい感覚が芽生えた」
──ため息が出そうになるほど、若いころと変わらないプロポーションを保たれていますが、美容のために、どのような点を気にして生活されていますか?
「コンセプトはシンプルで、『食事・運動・睡眠』。この3つを大事にしています。よく“規則正しい生活だね”って言われていますが、やっぱりそこがポイントなんですよね。若いころは、食べても運動すれば大丈夫だったんですよ。でも、年齢を重ねると代謝も落ちる。だから、食べる順番を変えてみたり、腹八分を心がけたり……。ほかにも、“夜はお酒が飲みたいから炭水化物は控えよう”みたいなことを考えながら食べるようになりましたね」
──ヨガの講師をしている以外にも、何か運動は続けているのですか?
「ゴルフをすすめられたこともあるんですが、向いていないようですね。同じようなことをルーティンで繰り返すのが苦手なんですよ(笑)。 昔はエアロビみたいに、身体を動かしてストレス発散になればOKって感じだったんですが、今では呼吸を意識するようになりました」
──ライフワークとされているヨガとは、どのように出会ったのですか?
「ヨガとの出会いは’04年で、36歳のとき。仕事でヨガをしたのがきっかけだったんです。ヨガを初めてやったとき、次の日にすごい筋肉痛が来たんですよ。体幹をしっかり使いながら呼吸をするので、普段はあまり使わない部分も動かしているのだなと実感しました。それと、家にいるよりも出かけるほうが好きで、せっかちだった私が、ヨガ中はものすごくリラックスできたんです。そこで、自分の中に新しい感覚が芽生えました」
──ヨガはご自身にも、とても合っていたのでしょうか。
「ちょうど30代半ばで、いろいろと悩んだりする時期だったんですね。当時はまだ結婚もしていなかったし、今後ソロでどうやっていくか、仕事の方向性についても迷っていて……そんなときにヨガに出合った。ヨガを始めたおかげで、今のグラビアのお仕事にもつながっていると思っています」
──ヨガと本格的に向き合う中で、自分の中で何か変わったりしましたか?
「ヨガと出会えてから、考え方も変わりましたよ。ヨガは物事をいい、悪いではなく、“陰陽バランス”でとらえます。そこにいちばん心を打たれました。例えば、温かいものと冷たいものは両方あって初めて、互いの存在を認識できる。この世にあるすべてのものは、片方では成り立たなくて、陰と陽、どちらの側面もあるからバランスがとれているんです。だから悪いことや大変なことがあっても、乗り越えていけば陽の部分、すなわち、違うステージが見えてくる。負の出来事もいずれは、いいことにつながっていくんだなって思えたら、心が楽になったし、常に前向きかつ元気でいられるようになりました」
すっかりヨガに魅せられ、ヨガインストラクターとして東京・代官山に自身のスタジオまでオープンした中島さん。グループ活動から一転、経営者としてスタジオを開くまでには、どんな苦労が? また、ずっと大切にしている習慣や、ときにセクシーな衣装をまとうグラビア活動に対してご主人はどんな反応をされるのかなどは、インタビュー第2弾で詳しくお聞きしています!
(取材・文/池守りぜね)
【PROFILE】
中島史恵(なかじま・ふみえ) ◎1968年生まれ、長野県出身。身長1メートル70センチ、B88、W60、H89。幼少期から運動が大好きで、短大在学中にエアロビクス指導者免許を取得。’94年に『シェイプUPガールズ』としてデビュー。「健康と美」をモットーに活動し、テレビドラマや映画、バラエティなどで幅広く活躍した。’00年以降はソロ活動に転向し、’14年に東京・代官山のヨガスタジオ『avity』を設立。自身もレッスンを担当している。’17年からは毎年、実年齢をタイトルに入れたDVDを発売しており、’22年12月21日には、最新作『fumie54』が発売に。
◎中島史恵オフィシャルファンクラブ→https://fanicon.net/fancommunities/4604