東海エリアを中心に活動するエンターテイメント集団・ボイメンことBOYS AND MEN。“名古屋の町おこしお兄さん”というコンセプトのもと、2010年に結成。当時、AKB48を筆頭に “会いに行けるアイドル”が席巻しており、地元にとって身近な存在のボイメンも人気を博した。
2016年には、楽曲『YAMATO☆Dancing』で全国メジャーデビュー。“自分を信じ仲間を信じて夢を追い続ける”というメッセージを込めた歌詞が彼らのスタイルとマッチし、全国区でもブレイクした。その後、新型コロナウイルスの時代が到来。イベントが減り、“会える”をコンセプトとする活動がままならなくなった。さらには当初10人だったメンバーが現在は6人に。
2022年12月21日、その6人体制で初となるニューシングルを発売した彼らに、現在の心境と再出発に対する思いを聞いた。
(※辻本達規はドラマ収録のスケジュールの都合により、写真撮影にのみ参加しました)
──今回のニューシングル『超FINE!!!』は、前作『ニューチャレンジャー』から約1年半ぶりのリリースですね。この間、いろいろとあったかと思いますが。
本田剛文 これまでの活動では、1年の間にシングルとアルバムを1枚ずつリリースすることがルーティンだったので、こんなに間が空くことがなくて。ファンのみなさんには“本当にお待たせしました”という気持ちでいっぱいです。今回は6人体制で初のシングル。しかも、これまでとは曲調や雰囲気が違うのでぜひ多くの人に聴いてほしいです。
田村侑久 これまでのボイメンとは、実は少し雰囲気が違います。
勇翔 男っぽいゴリゴリな曲調が多かったボイメンにしては、今回は明るくさわやか。6人体制になって、新たな色を出していこうというタイミングにふさわしい曲調ですね。
平松賢人 何かしているときにラフに流せるBGMにもなる曲で、すごく新鮮。
吉原雅斗 「いろいろあったか」と聞かれたら、いろいろありすぎましたから(苦笑)。今回は事務所の社長とも話して“再出発するんだ、原点回帰!”というところもあって、刷新じゃないけどリスタートという意味合いでは、すごくピッタリな曲に仕上がってます。
本田 “イチから始める”のリスタート“ではなく “続きから始める”のリスタート”だよね。ある意味、コンティニューでもある。
吉原 でも、一度止まったことは止まったと思うんだよね。あのときに……。
本田 ぶっちゃけ今年メンバーが減ったんですけど、今回のリリースイベントで久しぶりにステージをやったら、ずっと会いに来てくれていた(ファンの)方がいないことにも気がつきましたし。でも、僕らって大変なことをグチグチ言うタイプじゃないし、お互いに励まし合ったり慰め合ったりするのも、なんか違う。なんとかなるさ的に生きてきたから、またいつもどおりに集まって、いつもどおりな感じです。
平松 もともとメンバーはそれぞれで考え、みんなで持ち寄って力を合わせる、というスタイルだったので。
吉原 この楽曲をひっさげて、もう1回まっさらな気持ちでやってやるぜ! という意欲でいっぱいです。
配信ライブや趣味で気持ちを切り替えて
実はボイメンは2022年6月、2名のメンバーが卒業、脱退した。そのひとりがリーダーだったということもあって周囲からは心配する声の嵐だったという。そんな中で残ったメンバーたちは、変わらない自分と新たに見つけた境地があった、と続ける。
平松 僕はちょうどサウナにハマったんだよね。そしたら、不思議なことに心のモヤモヤがすべて吹っ飛んじゃったというか。
本田 平松くんは、サウナでデトックスする習慣をつけたんだよね(笑)。
平松 そう。それまでは仕事場と自宅の往復といっても過言ではない毎日だったんだけど、今の生活にサウナが入ってきてリセットできる時間ができました。スーパー銭湯にいるときだけは、ゼロ思考でフラットになれます。
吉原 僕はもともと好きなゲーム。仕事としてゲーム配信をしてるんだけど、気の合う仲間とオンラインでつながりながらやるゲームは、リフレッシュする時間でもあるかな。
平松 このゲーム配信がね、また面白いんですよ。見られるの。
吉原 見られるっていう表現かいっ(苦笑)。
田村 俺のTikTokライブはどう?
平松 ある意味、面白い。配信中にお酒を飲んで寝ちゃったこともあるくらい、暴走してる。
吉原 僕、そのときの配信をたまたま見ていたんです。へべれけになって寝ちゃった田村くんが心配になって、何度も電話したんだけど起きなくて。画面はクルクルしてるわ、電話には出ないわ、とうとう家まで起こしに行ったことがありました。
本田 ホント、人騒がせな!
田村 俺のスカッとする方法がお酒だから、そこは許して(苦笑)。って、本田くんこそ何かそういうのあるの?
本田 あまりわかってもらえないかもだけど、トーク配信がストレス解消。
平松 えー、仕事でさんざん話して、さらに帰って話したいなんて疲れないの?
本田 今日はあまりしゃべってないという日は気持ち悪くて、足りてない気持ちをまた動画配信して話すわけ。
平松 口から生まれてきたの(笑)?
本田 僕はステージだと言えなかったことも、動画配信だとハッキリ言えちゃうんだよね。辛口なコメントに対しても“そういうのは空気悪くなるからやめてくれ”とか。それがストレス解消になっているのかな……。
田村 勇翔は最近どう? って聞かなくてもわかるけど。
勇翔 言わずもがな、僕は車にハマってます。そもそも、ひとつのことしかできないタイプだから今は車が楽しいし車好きが高じて、番組に出られたのがうれしい。
地元に貢献して、応援してくれる人を楽しませたい
──12年目に突入したボイメン。個人での楽しみの幅も増え、新しい目標ができる中で、2023年の抱負を聞いた。
本田 ずっと言ってるんだけど、地元を盛り上げるフェスをやりたいですよね。僕らが中心になってボイメンフェスという名のもとで。
田村 名古屋の町おこしお兄さんというコンセプトで始めたからには、やっぱりそれを貫き通したいし、そこから始まったストーリーの新たな章の幕開け! より多くの人を幸せにしたい。
勇翔 ようやく最近はイベントができるようになって“9年ぶりに来ました”というファンの方がいました。順繰りにいろんなグループに行った結果、やっぱりボイメンに戻ってきた、と。そういう人たちに恩返しをしたい。
本田 これまで何があってもやってこられたのは、そうやって応援してくれる人がいるからだと感じます。
吉原 カッコいいグループはたくさんいるけど、ボイメンの方向性は多くの人を楽しませること。“やっぱりボイメンって面白いよね”って、会いに来てくれる人を増やしていけたらいいな。
勇翔 結局、僕らってカッコつけるのは好きじゃない。面白いのが好きなメンバーがここに残ってます。
平松 メンバーしかいない楽屋でも“ここで笑いを取らないと!”という緊張感があります。
本田 それは、末っ子の賢ちゃんだからこその緊張感だね。とはいえ、やっぱり裏でも、自分の笑いを外したくないっていうのはある(笑)。
田村 根っから面白いことを追求するグループなんだと思う。
本田 みんな、変わってないよね。
平松 変わったのはひとつだけ。ステージにひとりで上がることが増えたという部分。
本田 どういうこと?
平松 以前はメンバー全員でステージに立ってMCをやり、全員で歌うことが多かったし、なんなら僕はMCで話さないこともあったというか。でも、今はソロも増えたし自分ひとりが発言する回数が増えた(笑)。
本田 それはまた、新しい責任感だよね。
勇翔 責任感という意味ではみんな大人になったと思う。僕は今、個人で車の番組に出演させてもらっているけど企業の広報さんにお会いして、真剣な話を聞いて吸収するチャンスが増えました。それが成長につながってると思います。
田村 確かに昔とは違って、個々のメンバーがいろんな人とかかわるようになったのは、大きいね。
本田 それこそ、大人扱いされるようになりました。当たり前なんだけど、よくも悪くも、叱られづらいキャリアになりました(苦笑)。芸歴はまだ10年とはいえ10年ひと昔で、尊重されるようになったという面はあります。でも、そこは勘違いしちゃいけない。昔は“そこに立ったらカメラの邪魔だ!”とか、何かと怒られたことを思い出し、あれがめちゃくちゃ生きていると感じます。あの時代があってすごくよかったと思う。
吉原 メンバーの変遷はあったものの、人が好きなんですよ、ボイメンは。ずっとその姿勢は変わらないし、わちゃわちゃしていて楽しいですよ。
田村 今回の新曲に“何歳だってオレら夢を見よう。しわくちゃになってもずっとバカをやろう”という歌詞があるんですけど、みんなずっと同じ気持ちです。
本田 これからも夢を追いかけますよ!
メジャーデビュー楽曲に込められた“自分を信じ仲間を信じて夢を追い続ける”という思いは、10年たった今もなおメンバーの心に根づいている。新しいフェーズに入ったボイメンにも注目していきたい。
(取材・文/いくしままき)