2014年のスタートから早9年、すき家での店内放送としてロングランを誇る「すき家RADIO」について深掘りしていくインタビュー後編。今回は番組パーソナリティの高森浩二さんも登場!
まずは前編に続き、すき家Web販促担当ですき家RADIOの運営に携わる溝口祐樹さんにお話を伺っていきます。
【前編→すき家の店内放送「すき家RADIO」を知っていますか? 9年続くロングランの裏側を担当者に聞いてみた】
すき家に縁のある芸人もゲスト出演! ロングランの秘訣は?
──これまでにゲストとして、お笑い芸人の「さらば青春の光」のお二人や「プラス・マイナス」の岩橋良昌さんが出演していますが、どのような経緯で実現したのでしょうか?
溝口さん「さらば青春の光のお二人は、ご自身のYouTube配信の中ですき家RADIOに興味を持っていただいていることを知りましたので、こちらからオファーをかけて実現しました。プラス・マイナスの岩橋さんは以前、すき家の店舗でスタッフとして働かれていたので、同じく私どもからオファーをしてご出演いただきました」
──すき家と縁のある方をゲストに迎えているんですね。ネット上では一般の方の「すき家RADIOに出たい」という声も見かけました。
溝口さん「すき家を好きでいてくださる方には、幅広く出ていただきたいと考えています。まだ実現はしていませんが、私個人としては一般のお客さまにもご出演いただきたいと思っています。9年間放送を続ける中で多くのお客さまに愛されていることを実感していますので、みなさまと一緒に作り上げる企画も実現したいですね」
──2014年の7月の開始から9年を迎えますが、ロングランの秘訣はどこにあると思いますか?
溝口さん「すき家RADIOは全国の店舗で放送しているので、多くのお客さまと従業員に愛されてきた結果だと考えています。放送開始当初から意識しているのは、お店の雰囲気を明るくすることと楽しくすることです。おかげさまで、現在も多くのリクエストや応援メッセージをいただいています。お客さまの反応が悪ければ、どこかの時点で打ち切りになっていたでしょう」
──ツイッターで話題になる企業アカウントは、いわゆる中の人の個性を前面に出したアカウントが多いですが、すき家RADIOはそれらとは真逆の傾向ですよね。
溝口さん「そうですね。ひねりを入れずに、まっすぐに続けてきたからここまで長く続いているのだと思います。今後もこのスタンスは変えずに続けていきたいと思います」
もはや「高森さん=すき家の声」ですから
──今後もパーソナリティは高森さんにお願いする予定でしょうか?
溝口さん「はい、今のところ交代する予定もなくこれからもお願いする予定です。やはり、これだけ長く続いていると“高森さんの声=すき家の声”として定着してますからね。愛着が湧いているお客さまも多いことでしょう」
──同じ牛丼チェーン店の松屋が「美味しさ”まる見え”チャンネル」という店内放送を始めました。競合の動向は気になりますか?
溝口さん「これからもすき家RADIOは当初のスタンスを変えることなく続けていきます。両店ともに店内の雰囲気が明るくなればいいですよね」
──では、すき家RADIOの今後の展望を教えてください。
溝口さん「9年間続いているすき家RADIOのいいところは大事にしつつ、放送を通じてすき家のファンを増やしていきたいです。食事の邪魔にならない、すき家でしか聴けない特別なラジオを楽しんでいただきたいと思います。すき家に足を運んでいただいたお客さまが季節の変わり目と、ちょっとしたハッピーを感じられるような、そんなラジオを目指していきます」
──実現可能かは別として、溝口さんが個人的にやってみたい企画などがあればぜひ。
溝口さん「そうですね、現時点で“できる”と明言はできませんが、先ほどお話ししたすき家RADIOのアーカイブ(前編を参照)と、個人のお客さまをゲストに迎える企画はやってみたいですね」
──お呼びしたい有名人のゲストはいますか?
溝口さん「う~ん、誰になりますかね……」
──CMにも出演されている石原さとみさんとか?
溝口さん「あ、それは確かに! もし来ていただけたら夢のようなお話ですね!」
元気モリモリ、高森浩二さんの登場です!
今やすき家の顔とも言える、番組パーソナリティの高森浩二さん。お忙しいスケジュールの中、リモート取材に応じていただいたので、番組に対する熱い想いを語ってもらいました。
──パーソナリティーに抜擢(ばってき)されたときの気持ちはいかがでしたか?
高森さん「最初にすき家RADIOの台本を見たときは、本当にラジオ番組のような構成だったので驚きましたね。店内放送といったら通常は新商品やサービスの告知がメインですが、すき家RADIOはリスナーからのお便りに対して僕がフリートークを展開する、普通のラジオ番組に近い内容ですから。トークで心がけているのは前に出すぎず、かつ爽やかに、そして自分を偽らないことです。僕は自分で自分のことを爽やかなタイプだと思ってますので(笑)、食事中にサラッと聴ける内容を心がけています」
──おなじみのあのキャッチフレーズはどうやって生まれたのでしょうか?
高森さん「ラジオパーソナリティって、それぞれのキャッチフレーズを持っている方が多いんですよね。すき家RADIOの締めでもそんなフレーズがあったほうが印象に残るかなと考え、高森と韻を踏める“元気モリモリ、高森浩二がお送りしました!”というフレーズを試しに言ってみたら、当時の担当の方に思いのほかウケまして。まあ、本当にその場のノリで出てきた言葉なんですが、続けているうちにだんだんとなじんできたようです。最初は“ダサいかな?”と思っていましたが、意外と受け入れられたようでよかったです(笑)」
──9年間という長期にわたって放送が続いている理由について、自己分析すると?
高森さん「食事の邪魔をせずにサラッと聴ける内容なのがいいのかなと。先ほど、自分を前に出さずにとお話ししましたが、たまには僕のパーソナルな話題も出すようにしています。毎年、初回の放送ではその年の目標を発表していますが、毎年フルマラソンを走ると言いつついまだ実行できてなくて、お叱りのメールもいただいているんですけどね(笑)。たまに個人的な話題も織りまぜつつ、特段派手なことはやらない。ある意味、そこが長く続いている理由かと思います。あとはやっぱり、自分の声とキャラが評価されているのかなと(笑)」
──すき家RADIOを長く続けてきてよかったなと思うことはありますか?
高森さん「仕事で日本各地に出向くこともありますが、そこでお会いする人から“もしかしてあの、元気モリモリ、高森浩二さんですか?”なんて聞かれることも増えてきました。すき家RADIOが僕の名刺代わりになって、知名度も少しは上がってきたのかなと。でも、ネット上では“高森浩二の名前で検索したら、思ったより年齢が上だった”とか“もっと若いと思ってた、イメージと違った”なんて言われてますが(笑)」
高森さんのイチオシメニューは?
──過去の放送においてゲストを迎える回もあったすき家RADIO。高森さんが会いたいゲストとは?
高森さん「基本的にひとりで話すことが多いので、芸人の方にゲストとして来ていただけると刺激があって楽しいですね。これからもいろんな人に来てほしいと思います。ゲストは本当にウェルカムです。僕自身がお会いしたいゲストですか? そうですね……芸人さんが続いたから、アイドルの方が来てくれたら、僕の新たな一面が出せると思いますよ(笑)。もし、石原さとみさんがゲストだったら何も話せなくなるでしょうが、そんな回があれば夢のようなお話ですね(笑)」
──最後に高森さんがおすすめのすき家メニューと、10周年に向けた今後の抱負を教えてください!
高森さん「僕のお気に入りはおろしポン酢牛丼です! 以前はチーズ牛丼派でしたが、年齢を重ねてあっさり系にシフトしました。たまにカレーや新商品を試すこともありますが、基本はおろしポン酢牛丼ですね。
今後については“継続は力なり”の意識で今をベースにしつつ、より多くのリクエストをご紹介できるようにしたいですね。“元気モリモリ、高森浩二”に続く新しいキャッチフレーズも考案していきたいと思いますので、みなさんどうぞお楽しみに!」
(取材・文/松山タカシ)
〈PROFILE〉
高森浩二(たかもり・こうじ)
1998年、勤めていた会社を辞めDJ・MCの世界を志す。東京アナウンスアカデミーで学びプロダクションに所属し、2011年よりフリーランスに。『すき家RADIO』のほか、FM NACK5『NACK5時ラジ』のパーソナリティ、Jリーグ大宮アルディージャのスタジアムDJ、そのほか多数のナレーションなど幅広いシーンで活躍。趣味はサッカー、ジョギング、スノボ、サーフィン。