ドキドキ、ドキドキ……落ち着かないくまモン。待機中の室内をうろうろ。かと思うと柔軟体操を始めたり、自分の腕やおなかを眺めて、筋肉の状態を確認したり……。
「今から2次審査だモン。たーくさんの人が応援してくれているから、がんばるモン!」
そう、ここは美男子の頂点を決める「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」2次審査の候補者控室。このコンテストは過去に、武田真治や小池徹平、溝端淳平、三浦翔平、菅田将暉など、数々のイケメンスターを輩出している。
前回、見事に書類審査を勝ち抜き、1万5447人の中からBEST1000に選ばれたくまモンが、BEST150への進出をかけて戦いに挑む。(コンテスト応募のきっかけから書類審査の結果までを追ったルポ第1弾:【密着ドキュメント#1】今こそ“本物のイケメソ”へ、くまモン「ジュノンボーイ」への道!)
くまモン、本番を前にソワソワ、ドキドキ!
かねてから自分が優勝すると思い込んでいるくまモンだが、やはり現実に審査会場に来ると、若干の緊張感が出てきた様子。
そういえば3日前に、蒲島郁夫・熊本県知事の定例会見で「くまモン、がんばってね」とエールをもらって送り出されてきたんだった。しかも知事は「くまモンほどの実力があればファイナルまで行って当然」ともおっしゃっていたっけ。
けっこうプレッシャーを感じているのかもしれない。
「これがボクのお守りだモン」
見せてくれたのは、くまモンがコンテストにエントリーしたときにくわえていた深紅のバラ。その一輪をドライフラワーにして「初心を忘れないように」持ち歩いているという。ここにもくまモンの「本気度」が見える。
しかし、オーディション部屋の前に到着すると、いつもの調子を取り戻し、「ちょっと記念撮影でもするかモン」と突然の決めポーズ。
審査員にひるむことなく、渾身のパフォーマンスを
「では、(エントリーナンバー)1番。くまモンさん」
審査員に呼ばれ、小走りで元気よく審査会場に飛び込む。まずは深々とお辞儀。
「30秒で自己アピールをしてください」
「くまモン隊隊長の、くまモンです!」
自己紹介からの「くまモン体操」で、キレッキレのダンスを披露。音楽に合わせて軽やかに踊り出したかと思えば、審査員らの目の前まで行き、大量の投げキッスを放つ強烈アピールも。審査員から思わず笑いがこぼれる。ラストはビシッと決めてダンスを終えた。
「では次に。くまモンさんのチャームポイントは何ですか」
そう聞かれて、「筋肉だモン☆」とムッキムキのポーズ。
どこからか腹筋ローラーを取り出し、超高速の筋トレを見せつけた。え、本気で速い、速すぎる。吹き出す審査員多数。
「むむ、ボクの魅力が伝わったかモン!」
手応えを感じている表情だ。
「審査は以上です。では、ありがとうございました」
また深々とお辞儀をして会場を出た。
「くまモン、やりきった?」
くまモン隊に聞かれて大きくうなずく。
はたして結果は!? くまモンの挑戦は続く
その日のうちに2次審査の結果が発表される。待機部屋に移動し、ほかの候補者とともに発表を待つくまモン。
机の上にあるプリント資料に「くまモン」とサインしたり、隣の候補者と顔を見合わせて不安な気持ちを共有しあったり。
「審査結果を発表します。番号を呼ばれたら、返事をして立ち上がってください」
司会者の言葉に、シーンとする会場。
……
………
…………
「1番」
……しばしの間。
「!? おろ、おろろ、ボ、ボク!? ボク、1番だモン!!」
手を上げて、ばっと立ち上がる。その拍子に、机がガタガタっと大きく動いた。
「はい、次。2番」
お隣の男の子も無事、通過。ふたりは顔を見合わせて笑顔。何かが通じている、友情が芽生えた瞬間だ。
続けて、全部で9人の合格者が発表された。番号を呼ばれた候補者たちだけが別室で「BEST150」に選ばれた証である“ヘキサゴンピース”をもらい、記念撮影が始まる。
撮影が続くなか、いつしかくまモンは“定位置”のセンターへ。どこにいても「センター」を確保してしまうのがくまモン「らしい」ところ。
「同期」となった9人に、すぐに結束が生まれる。
「これからも一緒にがんばるモン☆ ボクたち、仲間だモン!」
9人ひとりひとりと拳(こぶし)を交わし、爽やかにエールを送り合った。
応募総数15447人だった第35回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト。その中でBEST150に入ったくまモン。
「くまモン、おめでとう!」
くまモン隊から祝福され、くまモンもうれしそう。一時たりとも、もらったヘキサゴンピースを離そうとしない。
……と思いきや、なんだか悩んでいる様子のくまモン。
「どうしたの? くまモン」
「芸能事務所からいっぱいオファーが来たら、どうすればよかかモン? 海外のエージェントから来るかもしれないモン。さばききれるかモン?」
いや、まだそこまでいってませんから。これからが勝負ですから……。
「目指すなら映画俳優かモン? 共演者は誰がいいかモン・・・? やっぱり・・・」
うっとりしているくまモン。ステキな女優さんとの共演シーンを想像しているのだろうか。うーん、控室でドキドキしながら落ちつかなかったのは誰だっけ?
「ほら、くまモン。次のお仕事に行くよ!」
「おろ?」
「次の場所でみなさんが待ってるから」
「ばっ! そうだモン、みなさんにお礼をしないといけないモン!」
疲れ知らずのくまモン。
「これからもファイナリストを目指してがんばるモン。みなさん、応援よろしくま☆ エイエイモーン!」
次の仕事に向かい、元気よく走って行った。
(取材・文/亀山早苗)
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