卑弥呼パワーをつくった代表的な野菜

ニンニク:ニンニクが渡来してきたのは卑弥呼の時代。以来、今日までずっとスタミナ食の王として君臨しているのは偉い。

 ニンニクで注目したいのがスコルジン心臓の活動を活発にしたり、精子の増産を促進する作用があることから、強壮食品として2000年もの間、注目されているのだ。体力の低下する夏や風邪の流行る冬は、ニンニクを大いに活用したい。

 すりおろして、しょうゆに混ぜて刺身やサラダ、漬物などにつけて食べてもいいし、料理のかくし味に用いても効果は変わらない。

「滋養強壮には、ニンニクのひとかけらをラップで包み、電子レンジにかけても香ばしくておいしい。パワーも湧いてくる。ただし、食べすぎは禁物です。脳の老化を防ぐには、豚肉のニンニク炒め。豚肉にはビタミンB1が大量に含まれていて、ニンニクと合わせることで、素晴らしい健脳食になります

サトイモ:卑弥呼の前の縄文時代から食べられていたのが、サトイモ。サトイモのヌルヌルは、ムチンという物質で、老化防止に役立つ。

日本人が世界中のどこの民族よりも長寿になったのは、ヌルヌル食品を食べてきたからです

 現在でもサトイモがお正月料理やお祭りの祝い膳、神饌(しんせん:神様へのお供え)などに餅やお赤飯と一緒に並ぶのは、サトイモが主食級の位置を占めているという証拠といえる。

「ムチンは、肌のみずみずしさを保つ、立派な美容食です。女性のみなさんに食べてもらいたいなあ」

クルミ効果で直感力が冴える!

クルミ:人間の脳には、右脳と左脳があり、右脳は直感力や感性を、左脳は論理的思考をつかさどっている。テクノロジー社会を生きている私たち現代人は、左脳が発達し、人間が本来、身につけていた予知能力や直感力は衰えているといわれている

 卑弥呼は逆。無数の二者択一の中で生きている。左に行くのか右に行くのか、正しいと思うほうを直感で選んでいくしかない。脳もぼんやりしてはいられない。そこで、クルミの登場となる。

クルミの実はよく見ると脳の形によく似ていますまるで脳の縮小版のようです。それで中国ではクルミを食べると、脳の働きがよくなるといわれています

 事実、クルミには脳細胞に栄養と酸素を送り続けている血液の脳内循環をよくし、脳の働きそのものをよくする成分も含まれています。さらにクルミには記憶力をよくするレシチンが多い点も注目です」

 1日に2~3片食べるだけでいいから簡単で、それで脳の働きがよくなるならこんなにいいことはない。卑弥呼の脳もクルミ効果で、直感力が冴えていたのだろう。

卑弥呼が食べていた野菜たち イラスト:永山久夫

薬味:卑弥呼の野菜を見ていると、ねぎやミョウガ、青ジソ、ショウガなど薬味系の野菜が多いのに気づく。

薬味の作用と効果
1.
食欲を増す
2.毒消しの効果がある
3.魚などの臭みを和らげる
4.消化をよくする
5.料理の栄養素を補える
6.料理の味をよくする

 例えば冷ややっこを食べる際には、ひと手間かけて薬味を用意しよう。

「四季折々に出回る薬味は、縄文の昔、そして卑弥呼の時代から日本人の健康をガードしてきたのです」