一件落着後、飼い主に対する意見に変化が
《飼い主は確かにやらかしたよ
だけど逃げも隠れもせず、マスゴミの前に姿をさらし、追い出され、仕事を休み
そしてそれでも最後まで探し続けていた
十分に償ったと思う
俺は責める気にはならないね
とりあえず、ゆっくり寝てくれ》
《私も同感です。初めは飼い主さんに少し厳しめの感情を抱きましたが、謝罪し取材にも答え、仕事を休んで連日捜索に加わり、かわいがっていたペット達も手放し、それらが当然という意見もあるようですが私は十分誠意を感じました》
《飼い主は悪意があってやらかしたわけでもないだろし、十分に反省していますよ。
長い人生の中でたまたま失敗しただけのことです》
《うん 寛容な意見があるのは社会全体としてはよいことかも。
ただペット禁止明記の賃貸で大蛇複数持ち込んで飼育、はバレたら契約違反で追い出されるのは当然で自業自得だけどね。次はOKなとこでやってほしいね》
(※コメントはすべてYahoo!ニュース コメントより)
飼い主が「十分に」責任をとったかどうかは即断できないだろう。しかし、ヘビ逃走中は責任を痛感しているように見え、体調を心配されても「寝ている場合じゃない。疲れている場合じゃないなと」などと自分を鼓舞するように話したほど。
騒動を招いたのはまずかった。しかし、そのあと取った行動は飼い主なりに責任を持とうとしているように感じた。
飼い主は本誌の取材には真摯に答え、ヘビの生態について尋ねたときも、一般人がわかるよう丁寧に話した。エサの大きな冷凍ラットをどう口に入れるのか質問すると、両手でヘビの頭部をつくって口の動きを説明してくれた(冒頭の写真)。本当にヘビが好きなのだろう。
ヘビの購入価格を質問したとき、飼い主は少しためらってからこう述べた。
「それは報じないでいただけませんか。私みたいなヘビマニアからすると、法改正によって個人では新たに飼えないので、手に入れたくても手に入らない種です。生き物の価値というのもイヤな話なんですが、そういう意味では価値の高い生き物なのかもしれません」
さらに飼い主が必ずといっていいほど口にしてきたのは「ヘビに対しても申し訳ない状況をつくってしまった」ということ。
本誌の取材に対し、ヘビの飼育は「子どもの頃からの憧れだった」と話した飼い主。一件落着後のネットの反応は思いのほか、飼い主に温かいものだった。
◎取材・文/渡辺高嗣(フリージャーナリスト)
〈PROFILE〉法曹界の専門紙『法律新聞』記者を経て、夕刊紙『内外タイムス』報道部で事件、政治、行政、流行などを取材。2010年2月より『週刊女性』で社会分野担当記者として取材・執筆する