コト価値をもたらした「ゆかりペンスタイル」
数年前に大きな話題となった、ペン型の容器に入った「ゆかりペンスタイル」の誕生にも、そんな三島食品らしさ全開のちょっとゆるくて面白いいきさつが。
「前社長は『ゆかり』が好きで、どこへ行くにも持ち歩いていたのですが、既成の袋や瓶だとかさばるので、資材担当者が見つけたペン型の容器を『ゆかり入れ』として愛用していました」
そのペン型容器に入れた「ゆかり」を持ち、前社長が夜の街へお酒を飲みに行った時のこと。焼酎に「ゆかり」をふりかけようと、胸ポケットからそのペンを取り出したところ、周りにいた女性たちが「なにそれ? かわいい!」と大盛り上がり。
その様子を見た前社長は、これは「ゆかり」の名のとおり人と人との“縁”をつなぐいい商品になる! と直感。採算を無視して限定発売へと踏み切った。結果、ペンスタイルは大ヒット。
ふりかけとしての価値だけでなく、「コト価値」をもたらしてくれる商品として「ゆかり」のブランド力を高めるきっかけとなった。
異業種からの誘いが絶えない人気者に成長
話題性のある自社商品にとどまらず、最近は「コップのフチ子」で知られるカプセルトイメーカー「キタンクラブ」とのコラボポーチが発売されるなど、異業種と「ゆかり」のユニークなコラボレーションも続々登場している。
そこで気になるのは、次なる人物の登場。佐伯さんに今後の展望について聞くと、
「ご期待はいただいているので、企画チームが動いてはいますが、今は未定です。ただ社長は、やる気満々ですよ」
「ひろし」に次ぐ、名前も味もジワる新商品に期待だ。